20150713




【附録】事件関連本

最後に、「首都圏連続不審死事件」に関する本のレビューを出版順に載せておく。
また、佳苗が本について言及した文章も併せて載せた。


題:『別海から来た女 木嶋佳苗 悪魔祓いの百日裁判』
著者:佐野眞一
出版社:講談社
帯:「これは、私の書いた『東電OL殺人事件』を超える事件だ」--著者
佐野眞一氏といえばノンフィクションの名手、『東電OL殺人事件』は代表作のひとつである。
それを超えると著者が言うのだからかなり期待したのだが……率直に言って、佐野氏の手法とこの事件は相性が悪かったと思う。
佐野氏はあくまでフィールドワークに重きを置き、この事件を「ネット犯罪の文脈で語ろうとは思わない」とする。
得意不得意もあるだろうし、さらに踏み込めば北原みのり氏がツイッターなどで佳苗について呟き、マスコミに露出していたことへの牽制もあるだろう。
とはいえ「(ネット文脈で語ることからは)切れば血が出る人間の物語は生まれない」というのは少し決めつけにすぎる気もする。
ただ、この本が他の関連本と一線を画すのは本家の祖父が生きている間にインタビューできいている点だ。
亡くなる四ヶ月前に滑り込みで成功、佳苗について「あれには悪いクセがあって苦労しましたからねえ」「人のものを盗むとか」「預金通帳です」「小学校時代です」という証言を得ていることはかなり貴重だろう。
また家族の名前がみな本名なのも特徴的だ。
全体的に、佐野氏は佳苗を「怪物」として片付け、距離を置こうとしている感がある。
おじさまばかりを手玉に取った佳苗の能力に恐れをなした、とみるのは穿ちすぎで、たぶんあまり事件に興味がなかったのではないかと思われる。
傍聴席で大きな声でのあくび、居眠りもけっこう目撃されていたようだ。
《佳苗評》「私は、講談社が発行しているノンフィクション誌「g2」を1度も読んだことがないのだけれど、私の裁判を全回傍聴し、「g2」でルポルタージュを書いた還暦過ぎの男性作家がいると12年の春に知った。どんな記事だろうと気になっていたら、5月に突然、講談社から単行本が届いた。表紙には、私の顔写真が使われていた。私の許可なく。勝手に。謹呈の札が挟んであるだけで、送付書や手紙の1枚もなく、本を送りつけてきた編集者の神経を疑いましたよ。一応読みました。(略)著者は、娘を育てたことのない男性だろうな、と思った。男性って、娘を持つことで人格の変容が起こるけれど、この著者には、女子の心に寄り添う精神的な土壌がないように感じられた。彼は、過剰な人の心の闇や血脈だのに拘泥し過ぎるあまり、大切なことを見失っている。取材対象をいかに口汚く罵ることができるかに全精力を注ぐ下品な芸風は、私の好みではない。それはともかく、この本で彼が、私について「おそらく」「だろうか」「思われる」「ではないか」「していたのだろう」「だろうと思った」と推測して書いた文章の全てが事実と異なっていることだけは、断言しておきます。(略)私は、佐野さんには感謝しています。ジャーナリストとして活躍する取材記者を何人も使って、著名なノンフィクション作家が、私についてあの程度の本しか書けなかったことは、自叙伝を執筆する時の励みになりました。取材記者が上げたデータを、自分が現地で見聞きしたことのように書く手法にも関心しました。彼の手にかかると、事実とは関係なく誰もがモンスターになり、面白い物語が完成するのも、作家としての力量でしょう。しかし、ノンフィクションで、それはいけない。彼は、12年に橋下徹大阪市長の人物論を書き、血脈思想、差別主義、人権問題で批判を浴び、その直後に、長年にわたって他人の著作からの盗用をしてきた剽窃問題のダブルパンチで休筆に追い込まれ、生ける屍となった。彼がまともな神経の持ち主であれば、体調を崩したであろうし、眠れぬ夜もあったと思う。晩節を汚した猪瀬直樹さんと同世代、同類の彼は、今後どうなるのでしょうね。彼は、私の裁判を傍聴して、裁判長の左側に座っていた20代の女性裁判官を「右陪席」と書いていました。もう少し勉強しないと。律令制の大臣のように左右があると、左の方が偉いと思っているのかしら。向かって右にいるものを左と呼ぶのは、神社の随神門に配してある武官の像の名称を考えたらわかるでしょう。向かって右の方を左大神と呼ぶ。中学生でも知ってるわよ。彼の目に映る私は、法廷でいつも薄化粧をし、つけまつげをつけ、アイラインまで引き、唇にはリップグロスを塗っていたという。佐野さんは心臓が悪いそうですが、ノンフィクション作家として復帰するのなら、まず眼科に行った方が良いのでは?知識や洞察力以前に、視力に問題があるんじゃないのかと思うなあ」(「ノンフィクション作家」2014年01月19日・木嶋佳苗の拘置所日記)



題:『毒婦。 木嶋佳苗100日裁判傍聴記』
著者:北原みのり
出版社:朝日新聞出版
帯:"ブス"をあざける男たち 佳苗は、そんな男たちを嘲笑うように利用した
ツイッターでこの事件について呟くうちに出版社から声をかけられ裁判を傍聴して連載記事を書くことになり、それをまとめたという異色の経緯がある本書。
北原氏の佳苗に関するコメントはさまざな媒体で引用され、北原氏自身もマスコミに引っ張りだこになった。
その視点は独特で「色が白く、胸元キレイにあいたピンクのツインニットが似合ってた。午後は明らかに髪の位置が上がっていて、休憩時間にカールしてるとしか思えないほど、クリンクリンしてた。堂々とし媚びがなく仕草が優雅。魅力的だと、私は思った」「“鈴を転がすような声”とは、こういう声を言うのかもしれない」と書く。
そのせいか、佳苗に憧れる女性「佳苗ガールズ(カナエギャルズ)」がたくさん存在するかのような報道がなされた。
さすがの北原氏も週刊文春の記事「傍聴席はブスファンクラブ状態」は捏造だとため息をつくほど報道は過熱、その台風の目に近い位置に北原氏がいたといえる。
北原氏の問題意識のひとつは、日本社会に於ける男女の非対称である。
婚活サイトに登録する男性たちを見ても、考え方が単純で、己を省みず女性に夢ばかり求めているとやんわり示唆する。
また、男性検事や裁判官の強引で偏った論調にも疑問が呈される(判決が検察の求刑丸飲みだったことに関しては佐野氏も指摘)。
その辺りに好みが分かれそうだが、しかし佳苗のちぐはぐさは母とそっくりとか、セレブ設定は「そうであったかもしれないもう一つの私の人生」だったのでは、といった鋭い洞察や分析が多々あり、個人的にはもっとも面白い本だった。
興味深いことに、佳苗はこの本と著者を敵視しており、「拘置所日記」では訴えるとまで言っている。
《佳苗評》「小説を書き終えてからは、私に関して事実ではないことを吹聴し続けている、アダルトグッツショップを経営する女性ライターに対し、民事訴訟を起こす準備に明け暮れておりました。私や家族の名誉の為に、正誤をただしておかなければいけないことが、数多くあるからです。この証拠収集がいかに大変であったか、盤石の備えが出来たその顚末は、いつかここで記したい」(「私がブログを始めた理由」2013年12月24日・木嶋佳苗の拘置所日記)
「『女性自身』より1年早い57年創刊の女性週刊誌の1月21日号。見出しに何と私の名前が!「木嶋佳苗涙」どう考えても、私が涙を流した話だと思うでしょ。(略)びっくり。私の涙じゃなかった。見出しと記事の内容が違う、女性週刊誌お得意のパターン。私の一審判決を聞いて、法廷で涙を流していた知人女性の話だった。しかも、その話をしているのは、例の「毒婦」ライター。彼女が私に関して語ることの7割は、事実じゃありません。3割は事実かって?それは、NHKのニュースで報道されるレベルのこと。彼女の取材能力は限りなくゼロに近いので、ルポルタージュを書けるライターじゃないですよ。(略)毒婦ライターは、フラれた恋人に付きまとうストーカーみたい。片思いの恋愛が成就しなかった人、と言った方が正しいかな。私を気に掛けて下さる人たちは、彼女の言動を注視するのですが、心配ご無用。私は、あんな木っ端ライター相手にしないから」(「心がほっこりするイイ話」2014年01月17日・木嶋佳苗の拘置所日記)
「週刊誌で女性ライターが私の裁判傍聴記を書いているという噂は耳に入っていた。アポイントメントを取らず、週刊朝日編集部の女性2名と毒婦ライターが突然面会の申し込みをしてきたのは3月の終わりだった。埼玉の職員たちから、絶対会わない方がいい、あることないこと吹聴しているタチが悪いマスコミだと言われていたし、弁護人経由で聞く傍聴記の内容もいい加減なものだったから即答で断わった。(略)裁判員裁判中、毎週こんなデタラメな記事を連載されていたのか、と呆気に取られました。私の故郷を取材してきた内容の半分は、事実誤認というより嘘だった。その後、今に至るまで週刊朝日編集部からは一切連絡がない。連載を単行本として出版した際の献本もない。しかし、控訴審も傍聴しているってどういうことなんでしょうね。当事者取材をしない虚像作りが好きなただの礼儀知らず?」(「拘置所なう。」2014年02月28日・木嶋佳苗の拘置所日記)

※この書き振りから、北原氏が女性で、佳苗に好意的な書き方をしたことが逆鱗に触れたように見える。女性の同調などいらない、という佳苗の強い意志が窺える。

※さらに興味深かったのは佳苗はブログに「人や物や思想を取捨選択していくなかで、自分が何を好きかが分かり、私はやはり「木嶋佳苗」であると気づかされ、ちょっとショック!」「ポートネックでドロップショルダーのとびきり肌触りが良いふっくら起毛感のあるクリーム色のニットを着る幸せを与えてくれる彼に感謝しながら、拘置所の冬は寒くても、心身が暖かいのは物欲が満たされているから、という現実を堂々と書く。私は木嶋佳苗だから!」(「自叙伝「礼讃」が出版されたそうです」2015年02月27日・木嶋佳苗の拘置所日記)と書いているが、これは北原氏の「たとえ人生がかかっている裁判であっても、自分を変えることは容易くない。佳苗は佳苗らしく、被告人席に座っているのだ。それは“ふてぶてしい”なんて言葉じゃ表現できないほどの、怖いくらいの“佳苗らしさ”だった」(『毒婦。』)を無意識のうちにパクっていると思われる。読み込みすぎだよ、佳苗。



題:『木嶋佳苗 危険な愛の奥義』
著者:霞っ子クラブ元リーダー 高橋ユキ
出版社:宝島社
帯:なぜ女も木嶋佳苗に魅入られてしまうのか。
裁判傍聴活動を行う霞っ子クラブの元リーダーという著者は、速記で傍聴メモをとるためかやり取りがかなり詳しく記されていて記録として価値がある。
全公判の1/3ほどしか載っていないのが少し残念だが、マスコミが大量の並び屋を雇った結果、傍聴の倍率が跳ね上がってなかなか見られなかったようだ。
話題の裁判では必ず起こるアンビバレンツである。
傍聴記の合間に挟まるコラム的な読み物は、佳苗のブリーダー時代を知る女性の証言(部屋にぬいぐるみがあり、カーテンの趣味も悪く田舎から出てきた地味な子という印象だったという)や、佳苗の犯行が単独且つ冷静である点を指摘するなど読み応えがある。



題:『死刑判決が出た! 木嶋佳苗劇場 完全保存版 “練炭毒婦”のSEX法廷大全』
著者:神林広恵+高橋ユキ
出版社:宝島社
帯:“優れた女性機能”で月150万円! 総額1億円超え!! 男たちはなぜそこまで貢いだのか?
『木嶋佳苗 危険な性の奥義』の著者高橋ユキ氏と元『噂の真相』デスクのライター神林広恵氏編著のムック本である。
週刊誌的な作りで、「一挙8万字公開!」という法廷証言のほか、中村うさぎ、岩井志麻子、倉田真由美の三作家の「カナエの深層心理を読む」や、「木嶋ブログの研究」など盛りだくさんな内容だ。
事件の人物相関図や年表など見やすくて便利で、ブログを書くに当たって参考にした。
しかし個人的に気になったのはなんといっても「座談会『キジカナのここが凄い!』追っかけ! カナエギャル大集合」である。
「佳苗ガールズ(カナエギャルズ)」についてはその実在が危ぶまれており、傍聴に行った住人も「さっき、とある雑誌の記者に取材されたんですけど、その時にカナエガールズ?のことをどう思うか聞かれました。マスコミは力士をモテない女の救世主にでも仕立てたいようで、そのようなことばかり聞かれました」「カナエギャルは企画が先で、文春の女性ライターが『上祐ギャルや市橋ギャルみたいなの探している』って言ってたよw そんな人見たことありませんって答えたけれどね〜」などと苦々しく語っていた。しかし、キャッキャと騒ぐ傍聴希望者もいたようで「こういう場違いな女が並んでいる事でカナエガールズとか、カナエギャルとか言われてるんだろうなーとも思いました」とも書き込んでいた。
本書の座談会を見てみると、6人の女性が登場、口々に「デブでドブスが1億円以上ものお金を取ったということに驚いたんです」「実物はどんなんだろうと。見世物小屋感覚ですね」「(佳苗に惹かれる理由は)自分の中にカナエ的な要素を持っているから?」「どうやったらそんなことができるのか、ちょっと参考にしてみたい、みたいな(笑)」「どこか憎めない女でもあったので、せめて無期懲役くらいであったら……とは思います」と、個人的にはまったく共感できない言葉が並んでいた。
でもこう感じた人たちもいたのだろう。
もしかしたら大多数の意見なのかもしれない。
どんな理由にせよ佳苗に興味を持ったら「佳苗ガールズ」なんだと言われればわたしもそうなのかもしれないが……。
《佳苗評》本書についての直接的な言及はないが「佳苗ガールズ」については「日本で一番売れてる週刊誌に、私の追っかけという『カナエギャル』が『法廷は彼女の舞台。自分の口で無罪を主張するはず。だから傍聴券のために絶対並びます!』と断言している記事が載ったこと。私の事件をモチーフにしたテレビドラマや映画製作の話があること。それらのことに辟易して、私は法廷で口を閉ざすことに決めたのだ」(「2審の被告人質問について」2014年01月31日・木嶋佳苗の拘置所日記)などと書いている。マスコミは嘘ばっかりというくせに、自分のファンの実在についてはなぜか信じている矛盾がいかにも佳苗らしい。結局この人は耳障りのいい言葉しか聞かないのだ。



題:『木嶋佳苗法廷証言』
著者:神林広恵+高橋ユキ
出版社:宝島社(宝島SUGOI文庫)
帯:首都圏連続不審死事件、永遠のミステリー。貢がせた金額は1億以上。男たちはなぜこんな女に?
『木嶋佳苗劇場 完全保存版 “練炭毒婦”のSEX法廷大全』の文庫化だが、女性作家の寄稿や座談会は再録されておらず、傍聴記にしぼった内容になっている。
それにしても『木嶋佳苗劇場』も本書も帯の文言に「1億円」という言葉が入っているのが面白い。
執筆者は女性たちなのに「男たちはなぜこんな女に貢いだのか」という男性目線なのも宝島社っぽい。
《佳苗評》「1審後に出版された多くの関連本のこと。刑事裁判の傍聴が趣味の素人ライターが雑に速記したインチキ本が「木嶋佳苗法廷証言」として文庫になったこと」(「2審の被告人質問について」2014年01月31日・木嶋佳苗の拘置所日記)



題:『毒婦たち 東電OLと木嶋佳苗のあいだ』
著者:上野千鶴子×信田さよ子×北原みのり
出版社:河出書房新社
帯:女たちが語る〈女の殺人事件〉「殿方へ。毒婦も聖女も紙一重。触れてみないと分かりませんよ。壇蜜」
北原みのり『毒婦。』出版をきっかけに開催された座談会をもとにした本書だが、アマゾンのレビューは絶賛の嵐であるものの、個人的には違和感をぬぐえなかった。
確かに「東電OL」も佳苗も売春をしていたし、機能不全家族に育ち、援交世代だったかもしれないが、それらの共通項はすぐに「家族に参加しない男」「女性を値踏みする男へのリベンジ」「日本女性の生きづらさ」というフェミニストお馴染の物語に回収されてしまう。
佳苗は本人も書いている通り、フェミニズムは大嫌いで男性への恨みはない。
佳苗は男性のみを殺したが、それは女が嫌いで(怖くてといってもいい)近寄らなかったこと、男性に対しても、返金しろとか訴訟を起こすと言われて反論できず、黙らせただけである。
男性への復讐というのは、どうも当たらないように思う。
しかし、いろんな見方を提示するのがこの事件なのかもしれない。


【インスパイア小説】


題:『婚活詐欺女』
著者:岩井志麻子
出版社:宝島社
帯:男たちは、なぜ、太ったオバサンの虜になったのか!? 稀代の詐欺女の超絶男たらしテク!−婚活サイトで知り合ってから練炭カーに乗せるまでー
帯を読むと、佳苗の事件まんまなのだが、主人公はリサという虚言癖の女である。
佳苗の事件を書いている作家に近づき、マネージャーになろうとするが嘘ばかりで作家は振り回される。
どうも実際にこれに近いかたちで岩井氏に近づいた女性がいたらしく、さまざまな小説でネタにしているらしい。
佳苗の事件は狂言回しのような役割だった。


その他、


真梨幸子『五人のジュンコ』(徳間書店)



百田尚樹『モンスター』(幻冬舎

などがあるようだが、未読である。
逆に、佳苗がインスパイアされたと言われているのは、


林真理子『花探し』(新潮社)
(主人公は二十歳そこそこから贅沢三昧な愛人生活、趣味でコルドン通い、付き合いには対価があって当然という思想、名器持ち)

ドラマ「やまとなでしこ」
(王子樣を探して周囲を振り回す物語。Sさんが松嶋菜々子のファン)

ドラマ「HERO」第三話「恋という名の犯罪」
(料理教室を経営する女結婚詐欺師をキムタク検事が追いつめるも不起訴になるというもので、男性十数人から一人百数十万を騙し取ったが証拠が無く起訴できず、キムタクは女結婚詐欺師に負けたと認めたという内容である。「桜の欲求不満日記」2006年7月4日にその名も「hero」というエントリがあり、ドラマを視聴したことを書いている)

といわれている。
機会があったら見てみたいと思っている。

20150712




木嶋佳苗とはなんだったのか

木嶋佳苗の起こしたいわゆる「首都圏連続不審死事件」はここ数年では珍しいほど長く注目された事件だ。
その注目ポイントを大きく分けると以下の4つではないだろうか。
①インターネット、婚活、独居老人といったキーワードがキャッチーだった。
→社会学者やコメンテーターがニュースバラエティーなどで語りやすかった。

②美人風、セレブ風の設定で騙していたのに実は肥満体型で不細工だった。
→勘違い女性は叩きやすかった。

③家庭的な女性を売りに男性の被害者を騙した。
→一部のフェミニズム的傾向のある女性たちにある種の痛快さを感じさせた。

④オマケ:裁判が始まるとお着替え、「名器発言」など話題性があった。

しかし、ここではっきりさせておきたいのは、わたしの関心はあくまで「あまりにもインターネットに足跡を残しすぎていた詐欺師」という点に尽きる。
どんな凶悪事件を起こした犯人でも、発覚するまでは友達や恋人に囲まれて遊んだり働いたりして普通に生活している。
そのことは頭ではわかっているつもりだったが、いざ目の前に本人のブログや関係者の証言が大量に出てくると、驚かされることばかりだった。
とくに詐欺が絡んでいる場合、どこまでが本気でどこからが演出なのか、被害者はどこに騙されたのかなど、興味は尽きない。
佳苗はブログを三つも四つもやっていてあらゆることを書き散らし、無駄に高い行動力でいろんなところに出没していたので検証材料に事欠かず、お陰で詐欺師の心理についていい勉強になった。


木嶋佳苗とはなんだったのか。
その問いを解くために、佳苗に関する「よくある質問」を考えてみよう。

・佳苗がこのような事件を起こすまでになったのは、親のせいなのか、環境のせいか、本人の資質か。
全ての要素が渾然一体となっていて、答えを出すのは手練の犯罪心理学者でも容易ではないだろう。
ただ佳苗誕生の必須要素として、家族に妙な選民意識を植え付けられていたこと、家にも地元にも居場所がなかったこと、身体が早熟で家から出るには男性を宛てにするしかなかったこと、徹さんとの出会い(詐欺師だったかどうかは別として)、インターネットを利用して出会いが増え、見栄をはる必要もでてきたこと、リサ爺という太客を掴むことに成功し都合よく亡くなったことなどが挙げられる。
そのどれかが欠けたら、ここまでの内容、ここまでの規模の犯罪は起きなかったのではないか。
結果論でしかないが、しかし悪い意味でミラクルが重なったとしか思えない。


・佳苗は病気か。
これも専門家にしかわからないが、本人が「アダルトチルドレン(機能不全家族で育った子供)」と「適応障害」と鬱を診断された過去を認めているため、精神的問題を抱えていたことは事実だろう。
「アダルトチルドレン」には「マスコット」「ケア・テイカー」「ヒーロー」「スケープ・ゴート」「ロスト・ワン」という5タイプがあるというが、佳苗にはどれも少しずつ当てはまる。
また、まぶたの痙攣や不眠症、帯状疱疹など強いストレスがかかっていたことを示唆する症状が出ていたことも忘れ難い。
ちなみに住人の勝手な推測のなかで出てきた病名は「自己愛性人格障害」「サイコパス(反社会的人格)」「甲状腺機能亢進症」「大脳皮質の器質的障害」「思春期早発症」「報酬欠乏症(RDS)」などなど。
裏付けはないが、病名で検索すればそれぞれ佳苗に当てはまるように思える部分がある。


・佳苗は本当に自分のことをセレブで美人だと思っていたか。
ここがわたしの最大の興味のポイントだった。
もし現実がまったく見えていない人であるなら、常識で何か言ったところで何の意味もないからだ。
しかし結論からいえば、佳苗は自分がかわいくなくて太っていることを十分自覚していたことがわかる。
太っていることに関しては、そういう女性が好きな男性と付き合っていたこともあってそこまで悩んでいたようには見えない(とはいえ、女性からは冷たい目で見られていることはわかっていて、それも女性が嫌いな一要因だったとみる)。
しかしかわいくないことに関しては相当なコンプレックスだったようで(『礼賛』のなかの「花菜ちゃんは絶世の美女に生まれつく以上にラッキーな能力を持って生まれてきたんだ」といった表現に顕著だ)誰かに(母か祖母?)何か言われたというような具体的なエピソードがあったに違いない。


・佳苗は男をバカにしていたか。
ここを大きく見誤る人が多いのだが、佳苗は男性をバカにはしていなかったと考える。
保守的な佳苗にとって世界は男性と女性の二種類しかなく、女性が嫌いである以上男性に頼るしかない。
佳苗を好みだと言ってくれる男性と、お互い耳障りのいい言葉を言い合って共依存している関係がもっとも安心できるのだろう。
そのために自分の意見を抑えて相手を立て、どんな話にも同調する。
住人の証言にあった、太った愛人稼業の女性たちの常套手段というのも印象深かった。
太った女性が好きな男性は女性に包容力を求めるいわゆるマザコンで、社会的地位も比較的高いということはよく言われている。
佳苗の理想はイケメン(あくまで佳苗基準)で金持ちで包容力のある男性だが、すべての条件を備えた人は残念ながら現れなかったため、イケメンであれば狭量で貢がなければならないSさんにすら依存した。
佳苗がもし男性をバカにしているように見えるとすれば、それは他人すべてをバカにしているからである。
佳苗の世界で頭のいい順番は、佳苗>(詐欺師)>男性>家族>女性である。


・佳苗は本当に結婚したかったのか。
欲求不満日記では、結婚したい、王子様の登場を待つとしつこく書いていたが(そして既婚の次女にも嫉妬していたが)本音は結婚したくないのだとわたしは思っていた。男性をとっかえひっかえ、金を引き出す愛人生活をしながら結婚したいといわれても誰も本気にしないだろう。しかし、今春に獄中結婚してからの落ち着きをみると、本当に結婚したかったようだ。とはいえわがまま放題で真っ当なストレス解消法もあまり知らない佳苗であるから、普通の結婚生活は続かないとみる。塀の外と中という今のスタイルが実は理想的かもしれない。


・佳苗の最終目的は何か。
これは塀の外時代と中時代で変わってくる。
外時代の最終目的はよくわからない。
東京に来たころはそれこそ金持ちのおじさまを捕まえて結婚したかったのかもしれないが、末期にはだいぶヤケクソになっていたし、うまいものをたらふく食ってバーキンやベンツで武装してマウンティングが成功していれば良かったのかもしれない。
料理教室も学校(「女子栄養大学」「ル・コルドン・ブルー」)もあくまで武装のひとつ、本気で何かを実現したかったわけではないだろう。
問題は中にいる今だ。
佳苗は拘置所にいる間に自分が相当話題になっていることを知り、自己愛が爆発して主役になる快感を覚えてしまった。
さらに「冤罪で死刑囚になりつつある女性」という世間体(冤罪だと思う人はごく少数だと思うが)と、被害者的立場を得た。
そこで「非人道的な扱いを世に問う」という名目で、ブログだの本の出版だのニコニコ動画配信だのライターを訴えるだのと話題性を保つことに腐心した。
とはいえ、もう具体的に見栄をはる相手は目の前にいないので、好きなだけ太り、好きなだけ妄想を書き散らし、お気楽極楽な生活を手に入れた。
取り調べがきつくて心が折れかけたし、裁判でも矛盾を突かれて発熱し、手記ではつい「心奥の暗闇に潜り、自分の悪の根源、歪んだ価値観、狂気を孕んだ不健全な魂を直視した」などと本音も出たが、のど元過ぎれば熱さ忘れるで、死刑なら死刑でいいや、どうせ女性の死刑囚は無期みたいなもんだし♪(これに近いことを『礼賛』に書いている)ってな感覚だ。
失うものが何もない状態になった佳苗は恐ろしい。
と思っていたら突如獄中結婚を発表、かなり精神的に落ち着いた。
獄中結婚がとてもいい手なのはご存知だろうか。
まず、家族がいる死刑囚は刑の執行が遅いと俗に言われている。
また、最高裁で死刑が確定すればその後の面会は家族のみになるため、元支援者の夫がいれば他の支援者とも繋がりを保つことができ、まだまだ外への活動が可能になる。
ともあれ、今は結婚で落ち着いているが、慣れてくればまたぞろ話題性を狙ってくるに違いない。
名誉棄損の訴訟はやると思う。
支援者に止められて一旦は諦めたが、チームもぐだぐだになったようだし世間の耳目を集めるには有効な手段だ。
不審死事件では敗訴だが名誉棄損では勝訴、という流れは負けず嫌いの佳苗の好きそうなことだ。
また、事件に関する小説(本)は必ず出すだろう。
本のなかでは被害者全員が都合よく勝手に自殺するかもしれないが、容姿や人格など好きなだけ冒瀆するに違いない。
そのときはぜひ名誉棄損で訴えられてほしいものである。
死刑の暁にはウエディングドレスを着るかもしれない。
それくらいのことはやりかねない。
とにかく一般常識の斜め上の言動が多い佳苗である。
何をしようがこちらは無視を決め込むしかないが……それもなかなか難しい。


最後に。
佳苗は今も拘置所から「木嶋佳苗の拘置所日記」というブログで世間に存在感を見せつけている。
相変わらず好き勝手書いてはいるが、世間の目というリミッターが外れているためかなり幼稚で馬鹿馬鹿しい内容だ。
エントリで触れようかと思ったが、今回はあえて書かない。
第一のフェーズ(婚活セレブ時代)が「カインド掲示板」「ぽっちゃりソープ嬢さくらのブログ」「桜の欲求不満日記」「かなえキッチン」だとすると、第二のフェーズ(男性モテモテの過去暴露時代)が「一万二千字手記」と『礼賛』であり、今や第三のフェーズ(ヤケクソ死刑囚時代)に入っている。
片目で注視していきたい。

長々とおつきあいありがとうございました。
明日は附録として関連書について書いて終わりにします。

20150711




6.【おまけ】『礼賛』落ち穂拾い

『礼賛』解剖シリーズのなかで拾えなかった気になる文章をピックアップしてみた。ここまで読んでくれた人なら、存分に突っ込める文ばかりである。奇書『礼賛』の雰囲気をぜひ味わっていただきたい。


私の頭にいつもよぎっているのは、西のおじいちゃんと西のおばあちゃんであり、本家の祖父母のことを恋しいと思ったことは一度もない。私が生まれたときに、グランドピアノより高価な八段飾りの雛人形を買ってくれたのは西の祖父母で、雛あられを持ってきたのが本家の祖父母である。(「女王蟻」p27)


赤旗おじさんが、日本共産党の人で、民青が日本民主青年同盟の略称で、民青の組織化には日本共産党が協力していて、どうやら父は大学時代に民青で活動していたらしいと知ったのは、私がもっと大きくなってからである。(「西の祖父母」p39)


「ここは、毎日清潔にするんだよ」と言って、西の祖母は、自身の陰部に泡立てた石鹸をつけて洗った。細い縮れ毛がうっすらと覆った祖母の陰部は、ピンク色の粘膜がなまめかしい光を帯びて、色素の薄い真っ白な祖母の肌と釣り合って、美しかった。(「初潮」p49)


ぽっちゃり体型への皮肉を、西の祖父母の養育を持ち出して話されると、屈辱を与えられたような気分だった。自分の価値を否定するような指摘を、柔らかく自然にほのめかされることで、私は母に対して安心感を得られず、自分を理解して温かく受け入れてくれる存在ではないのかと思う事すらある。(「変質する母」p56)


私は、漱石の小説を読んで「高等遊民」という言葉を知ってしまったのである。同級生が「私はケーキ屋さんになりたい」「僕は科学戦隊ダイナマン」なんて言っているときに、私は自由を謳歌する高等遊民しか意識にのぼらなかった。(「高等遊民」p65)


私は、西の祖母のように、旦那さんに尽くし、家庭を守る女性に憧れていたので、自分が大人になって外で仕事をするということを、ちらりとも考えたことがなかった。教育熱心な両親も、職業については何も言わなかった。働いている素敵な女性もいたけれど、私には向かない気がした。(「高等遊民」p66)


歩美ちゃんはさっぱりした気質で、とても付き合いやすく、放課後もいっしょに遊んだ。歩美ちゃんの部屋で裸を見せ合いながら、お医者さんごっこをした。そしてその流れで自然にキスする。(「交換日記」p85)


東京から来た雅也君という中二の男の子が、真由ちゃんより私のことを気に入っているらしいということだけは間違いなさそうだ。アメリカに住み、お父さんは大きな法律事務所の弁護士で、お母さんは女優みたいに美人で優しくて、そんな両親の一人娘として育てられている可愛いお嬢様。英語が話せて、バレエが踊れて、ピアノも弾ける。勉強もできて信仰が篤く、熱心に教会へ通い貧しい人々の役に立ちたいと考える心優しい少女。麻雀でいうところの満貫みたいな真由ちゃんに、私は勝ったのだ。(「ヤマザトと雅也君」p101)


「俺は大人になったら、絶対にフェラーリに乗るんだ」と、力強い口調で断言した。雅也君がその夢を叶えて、真っ赤なフェラーリF40に乗って私を迎えに来たのは、私が十九歳の春だった。(「ヤマザトと雅也君」p114)


レディースコミックは幾つか毎月読んでいた。しかし、私が買っていたのは少女漫画を卒業した女性向けの漫画誌といったものだった。雅也君によると、表紙がイラストのものはソフトで、写真のものは過激な性描写があり、ポルノ色が強くレディコミと呼ばれているらしい。(「思春期」p126)


布団叩き棒を振り上げるときの母は、鬼の形相だった。下唇を噛み、小刻みに顔を震わせ、目尻は吊り上がり険しい表情から怒気が滲んでいた。三角になった母の目は悪魔に取り憑かれているとしか思えなかった。声も上げず、涙も流さない私が憎らしい、と母は言い、棒を持つ手に力を込めた。やがて惚けたような顔をしてせせら笑ったかと思うと、突然冷ややかな顔に戻り、睨み付けた(「虐待」p133)


祖母たちは、母が「最近とみに常軌を逸した言動が目立つ」「顔付きも変わってきた。更年期障害ではないか」「いや、あの人は人格障害だ」「精神障害だ」といった物騒なことも言い出した。まるで、自分たちとは血のつながりがない人のことを話すような口振りだった。(「虐待」p138)


十七歳の私は、祖母も十七歳でセックスをしていたことに強く親近感を覚えていた。母は二十七歳で結婚し、二十八歳で私を産んだ。多分結婚するまで処女だったのだろうと思う。以前、妹が「お母さんは、お父さん以外の人と付き合ったことないの?」と、尋ねたことがあった。そのときの答えが、高校時代告白された、お見合いの話はたくさんあったという話ばかりで、具体的に男性と交際していたというエピソードはひとつも出ず、妹に、「つまんないの」と、ぼやかれていたのである。(「節気菓子」p215)


彼がお土産に持って来た紅花をかたどった和菓子と求肥にくるまれた葡萄を食べ、膣の襞に染み入るような彼の歌声に酔い、ペニスをくわえ、心と体を潤した。受験勉強の合間のセックスは、私にとってユンケルで、彼の存在が生きるモチベーションになっていた。(「節気菓子」p217)


スナック菓子は滅多に口にしない私が、レンタカーの助手席やカラオケボックスで、カールを食べるのを見て、徹さんは播磨屋の「朝日あげ」という丸い揚げ煎餅をお土産に持って来てくれた。御園菊と月兎の生菓子と、朝日あげを交互に食し、いつまででも食べていられるわ、どうしよう、と本気で困った。(「節気菓子」p220)


卒業後は離れ離れになる仲の良い同級生が、ちょっとしたパーティーを開いてくれた。主役の私は、ホテルの別室で待っている彼のことばかり考え、気もそぞろだったのだろう。彼女たちとの話題のほとんどが進路のことだったことしか覚えていない。私の地元での思いでは全てそうなのだ。大切な男性以外とのでき事は、すぐに色褪せて忘れてしまう。(「節気菓子」p225)


就職する気は微塵もなかった。自分が仕事をするなんて考えたこともない。お金は男性が稼いでくれるものだと思っていた。それは未来の旦那さんかもしれないし、いざとなれば父がいる。雅也君とお兄ちゃんも助けてくれるだろう。男性は経済的に頼りになる存在だと漠然と考えて生きてきた。(「節気菓子」p217)


取調室と呼ばれる部屋に連れて行かれると、二人の男性が待っていた。年は父と同年配だろうか。二人は揃って大型量販店で売っていそうな吊しのスーツを着ている。刑事は、安物のスーツしか着てはいけない決まりでもあるのだろうか。Vゾーンがやけに広く、だらしがない。自分の体のどこの寸法にも合っていないように見えるスーツだった。(「事件」p246)


花代ちゃんはいつものバスタオルを手に持ち、妹の菜美ちゃんは、ナインチェ・プラウスのぬいぐるみを抱いていた母はうさこちゃん、美穂はミッフィーと呼ぶその兎のように菜美ちゃんの口は閉じられている。とてもシャイでおとなしい少女だった。(「故郷の人々」p293)


フライドチキン作りに挑戦したら、鶏肉に秘伝の粉をまぶすのに手間取り、やけに味の濃いフライドチキンが出来てしまい売り物にならず、巨大な圧力釜一つ分のチキンを廃棄することになった。タイマーをセットし忘れて、ポテトを揚げすぎたり、ビスケットを焼き過ぎたりして損失を出すたび、店長はぷるぷる震え怒鳴っていた。(「新入社員」p302)


私は大阪に行くと、イカ焼きを五枚食べるまで帰らないことにしていた。(「私の体は文楽の人形」p307)


私は優子さんと高島屋、美樹子さんと三越の開く展示即売会や受注会に行き、老舗呉服店系の百貨店の顧客達が醸し出す雰囲気を肌で感じていた。鉄道系とは格が違った。物を買う時は、必ず正規直営店で新品を一括払いで買う人達だ。間違ってもドン・キホーテやコメ兵でシャネルのバッグを買ったりしない(「VIPなおじさまたち」p325)


日本赤十字社から、そのとき献血した血液の検査結果が郵送されてきたのは、ロッテがトッポを発売した四月のことだった。(「世にも美しいダイエット」p338)


私は本を閉じ、彼を見た。四十歳前後だろう。センスの良いスーツを着ている。スーツを一着買ったら二本ズボンがついてくるようなメーカーのものではなさそうだ。松屋銀座の「銀座の男」市の催事でパターンオーダースーツを作ることを習慣にしているタイプに見えた。(「愛人倶楽部」p343)


この日私は、膝丈のスカートに森英恵のジャケットを着て、フェラガモのパンプスを履いていた。歌舞伎に誘われ、朝から美容室で髪をセットしてもらい、普段よりお洒落な格好をしていたのだ。腕時計は雅也君から貰ったショパールで、ダイヤモンドがキラキラ光っている。十九歳には見えなかったのだろう。(「愛人倶楽部」p344)


私が売春や援助交際という言葉にピンとこないのは、愛より先に性を知ったわけではなく、お金が介在する関係でも、必ずそこに愛があったからだと思う。私がしていたことは、拝金主義でも、承認欲求でも自傷行為でもない。親への欲望を代理充足したわけでもない。自分がしたいと思ったことが、タイミング良く与えられ、私はそれを普通より上手にすることができたので、多くの報酬を得て、楽しく続けてきた。自分を大切にし、男性に優しく接し、幸せな時間を共有した。売春や援助交際という単語につきまとう悲愴感は、私には無縁のものだった。(「愛人倶楽部」p346)


「私、このお店たまに行くんです。今もお財布の中にメルシー券が入ってます。買い物してから、九階のティーラウンジで黒パンのパストラミサンドを食べて、北欧の紅茶を飲んで、休憩してから帰るんです。ダイエットする前は、和光とアンジェリーナのモンブランも楽しみでしたけど」(「愛人倶楽部」p350)


その日の夕方、ゴトウフローリストから大きな花束が届いた。ホテルマンノような制服を着た花屋の男性が配達に来た。「Wao!!と、声を上げ感激した。(「愛人倶楽部」p351)


「花菜ちゃんとなら、動かなくても勃起していられるよ。花菜ちゃんは絶世の美女に生まれつく以上にラッキーな能力を持って生まれてきたんだ。これは凄い」(「愛人倶楽部」p352)


私は年上の人が好きだったから、若い男性の性欲と好奇心に振り回されず生きることができた。私が男性にしていたことは、生産性のないことだったけれど、社会になくてはならない生産性のある必要不可欠な仕事をする男性たちのオアシスになろうと思っていた。(「愛人倶楽部」p353)


「こんな数字見たことがない。二十代女性の平均値は二十二m/mHgなんだよ。今度はこれを挿入した状態で歩いてもらえるかな」と言い、紡錘状のコーンを私の膣に入れ、一分タイマーをかけた。重さを四度変え、五段階あるコーンを試した。「五でも落ちないな」(「女目線の名器研究」p359)


「私、これ出来るかしら。ちょっとやってみます」私は凹型の椅子に足から潜った。「沙也さん、お腹がつかえて……潜り抜けられません」「あらぁぷぷっ」失笑された。(「女目線の名器研究」p364)


風俗を語る時、人は皆、偽善者になる。風俗店で働いたことのある人や利用したことがある人でさえ、性的産業に対してとてつもない侮蔑感と差別感を持つということを、私は裁判所を通して知った。裁判員裁判の被告人質問で、検察から売春や風俗という言葉を連呼され、それが穢らわしいもののように取り上げられたものだから、性風俗産業に関わる方から同情の手紙を貰った。多くは経営者だった。(「女目線の名器研究」p367)


私の事件に多くの女性が反応したのを知って、男性に対して欲求不満や苛立ちを感じている不幸な女性が多いのだなと思った。自分に自信があり、自分の希望を叶えてくれる男性がいる女性は、多分私の事件に反応しないのではないだろうか。自分の人生に不満を抱いている女性たちが、私の容姿や人格的な誹謗中傷をすることで、自らの不安や憤りを回収させている気がした。女性たちの狭量さには、正直言って驚いた。(「女目線の名器研究」p368)


どんな意気がっている男性でも、心の底には抑圧された弱さと甘えがある。そこをさりげなく刺激し、優しく汲み取ってあげるのが女性の役目だと思い、私は男性に接してきた。(「女目線の名器研究」p368)


私が性風俗店に勤めなかったのは、不特定多数の男性の相手をしている女性を、男性が心から大切にしてくれることはないだろうと考えたからである。これは正しかったと思っている。安売りしていたら、男性から大切に扱われることはなかっただろう。女性と群れなかったのも良かった。(「女目線の名器研究」p368)


「私の父が泉屋のクッキーが好きで、あそこのクッキーは全種類食べたことあるんです」「泉屋のも歯ごたえがいいね。これは、今晩行くレストランで売っているクッキーなんだよ」伊東さんはインターホンで、「村上開新堂のクッキー缶を持ってきてほしい」と、森さんに指示をした。(「伊東さんとの誕生日」p379)


二十歳になってから、古代ローマ詩人オウィディウスの『恋の技法』という本を読んだ。(略)「安全に得られる快楽というものは、得られたところでそれだけ楽しみは少ない」金言だと思った。「十分使用に供しても、あの部分だけは損耗のうれいがない」そうだなと思い、私は二十歳になってから、積極的に男性と身体を重ねた。(「デートクラブ」p388)


ステディーな健ちゃんとハイソサエティの紳士しか知らないのでは男性の評価に偏りが出てしまうと危惧したこともある。そこで私が登録したのは、池袋のデートクラブだった。渋谷は近過ぎる。新宿は恐い。池袋の雑多な雰囲気や距離感が良かった。(「デートクラブ」p388)


デートクラブで紹介される男性にお金の期待はできなかいのはわかっていたから、水谷さんの反応は想定内のことだった。水谷さんは、滝沢の謝恩券と書かれた二百円の割引券を伊東屋のメルシー券の如く大切に財布の中にしまっていた。(「デートクラブ」p391)


デートクラブで紹介される男性のセックスは一様に下手だった。センスが悪かった。セックスが貧乏臭いのだ。(「デートクラブ」p391)


しかし、お金は出すが、内面は異なる種類の人もいる。それは、低い自己愛をお金を稼ぐことで補填するタイプの人だ。この手の人は、自分に対して自信が持てず、お金を払うことで自分も貢献し、相手の充実した世界にコミットしたような感覚を味わい、その刺激を喜びとする。こういう人は自身に魅力が低いので、付き合っていて面白みのない人が多い。(略)三十台になってから、特に、インターネットを通じて出会った人は後者ばかりだったように思う。(「デートクラブ」p394)


「なんでコンパするのに偏差値が関係あるわけ?」「美穂、長野大学の偏差値知ってるの? 四十よ。偏差値四十ってなかなか聞かない数字よ。私の数学の偏差値だって、もう少しあったわよ。第一、学部の名前も環境ツーリズムだの企業情報だのよくわからないじゃない。信州大学は教育学部でも六十近いのよ」(「年下のたっくん」p400)


シーズー犬のサークルを立ち上げ、ボランティアのアニマルセラピーと子犬の斡旋の二部門を作り、活動を始めた。広告代理店の知り合いに宣伝を依頼し、二十人を超えるスタッフを採用した。(「年下のたっくん」p405)


結婚は、一人の男性の専属娼婦になることだ。その一人の男性を決めるためにいろんな男性と試しに付き合ってじっくり選ぶのは当然だし、その過程で、別れ話を切り出さなくてはいけないこともある。(「年下のたっくん」p407)


初めてしたオンラインゲームは東風荘で、初めて登録したメルマガは楽天市場で、初めて参加したメーリングリストは合羽橋道具街の食と料理がテーマのものだった。(「年下のたっくん」p408)


両親の仲は完全に崩壊していた。長男が高校を卒業するまでは、と父は頑張っていたが、母は家出を繰り返していると聞いた。そのことで、私は母から相談や報告を受けたことはなかった。母は知人の家に身を寄せたり、長野の美穂のアパートで同居しているということをたびたび家族から耳にした。母が私は頼ることは一度としてなかった。(「年下のたっくん」p411)


iモードがブームになり、インターネットの巨大掲示板2ちゃんねるが開設された。そこに集う人の心理がわからなかった。2ちゃんねるの玉石混交、虚実入り交じった情報の嘘を見抜ける人はそう多くないだろう。そういう人でない限り、あの手の掲示板を使うのは難しいと思った。私にとって2ちゃんねるは、バイブレーターと同様、興味が持てず近寄りたくないものだった。(「年下のたっくん」p412)


関谷さんには、九八年に出会った頃から私の名字は吉川と名乗っていた。名は「桜」。知り合ったきっかけが、教育関係が集うインターネットサイトのオフ会だったこともある。当時、私は、パソコンを持っておらず、友人のピアノ講師に誘われて参加した飲み会だった。雅也君が「インターネットはパソコン通信とは違う。信用できる相手かわかるまで本名は教えない方がいい」と言い、吉川桜というハンドルネームをつけてくれた。(「関谷親子」p434)


信用させる為の工作に、私は架空の母「吉川淳子」という女性を登場させた。このことを書き出すと、また一年かかってしまいそうなので省略する。(「関谷親子」p435)


「俺はモテるんだぜ」「俺は、仕事が忙しくて、趣味が多くて大変なんだ。俺にセックスしてほしいなら、それなりのものを用意してくれないと会えないよ」お金だ。暗に匂わせるというより、直接的にお金を要求する発言をした。私にお金を要求する男性がいるなんて。しかもセックスの対価として。これにはたまげた。彼は売り専や枕ホストの真似事をしようとしているようだった。こう言っては悪いが、彼は、女性からお金が取れるセックスをできる人ではない。そのことを自覚していないのだ。(「関谷親子」p436)


振り込め詐欺が流行する前から、他人名義の銀行口座と架空口座とプリペイド携帯は、あらゆる詐欺のマストアイテムだった。私も全て持っていた。(「関谷親子」p438)


私は関谷さん以外の彼氏の家族とも同様に付き合ってきた。本人がおらずとも、彼の家族から食事や買い物に誘われることもあった。雅也君の家族に始まり、健ちゃん、たっくんもしかり。美術館や観劇に行く事もあったし、旅行もした。そういうふれあいがあったからこそ、東京での生活は潤いと温かさに満ちていたのだと思う。彼を抜きに、彼の家族と会うのがおかしいという感覚は、上辺だけの希薄な人間関係が普通になっている人のものだろう。(「関谷親子」p443)



関谷真彦と吉川淳子とのメールは、裁判には出なかったが、どこの都県の捜査でも話題にされた。「誰に書いてもらったんだ? 経営コンサルタントの岩路か? コーチングの菊地か? 出版社の三宅か?」どこの刑事も検事も、私が自分で書いたとは思っていなかった。読み返しても大した事は書いていないのだが、公務員の感覚では、若い女が考えることとは思えないらしかった。(「鬱」p455)


いくつ矛盾を見つけられるか、ある意味「木嶋佳苗検定」の様相すら呈している。

20150710




6.『礼賛』解剖④

『礼賛』の各章を要約し、読解ポイントを書くシリーズ最終回。
どんどん妄想がひどくなってくるので辟易することを覚悟されたい。
青字は、例によってネットの住人たちの疑問やコメントである。


女目線の名器研究
「リング」を入れた産婦人科医藤村さんから後日連絡があった。曰く「私は何万人もの女性を内診してきたけれど、こんな膣は初めて触れた。IUDを挿入した日の内診で、医療用具ローブ越しにもわかったんだが。これは凄い」。不感症の研究をしているセックス・セラピストでもある藤村さんは花菜の女性器のさまざまな箇所を計測、「彼の学術研究活動の被験者として、それから数年の交際をした」。またオーガズム時の脳波の計測にも協力、もうひとりの被験者の女性(クラブホステス)と三人で渋谷のアダルトショップに出掛けたこともあった。さらに彼女に性風俗業で働く女性を紹介してもらい、池袋のファッションヘルスに入店希望の研修という名目で素股などのテクニックを習った。
《読解ポイント》名器アピールのために必死で専門家を出してきたのだろうが、あまりにも漫画脳でだんだん笑えなくなってくる。もう少し現実味のある嘘をついてほしい。そして自分史になんとか風俗を絡めようとした結果が名器研究のための入店体験研修とは。この人につける薬はない。


26 :可愛い奥様:2013/10/18(金) 21:27:25.00 ID:1I/qk/J20
    名器ならSさんが中折れしたりするわけがない。それが答えだと思うの。


157 :可愛い奥様:2013/10/22(火) 17:12:52.35 ID:TYqIfYS70
    ウケルの通り越して、精神病の匂いすら感じて怖かったよね。
    「常に複数の男性とのデートのため、私のスケジュールはいっぱいでした」
    「普通の女の人達はもてるためにダイエットしたりかわいそう」
    「何万人も診察した産婦人科医からも絶賛され100万円もらった名器」とか。


160 :可愛い奥様:2013/10/22(火) 17:56:36.06 ID:hZHfqBjd0
    現実はおっさんや爺さん相手に売春したり妊婦系にまで手を出したり
    ソープでも早々に首になる人生だったから
    妄想で現実の惨めさを埋めるしかなかったんだろうね。
    小説を依頼されなくても、
    あれくらいの妄想は既に何万回もしてるんだろうなw 


346 :可愛い奥様:2012/04/19(木) 14:58:24.35 ID:v2qVU4qE0
 死刑だよ?首に縄かけられて吊るされて「ブヒィィ!」って死ぬんだよ?
 そんなときに「アテクシ育ちがよくて男にモテて名器なんですの」とか
 虚飾にまみれた自己演出しとる場合かこの猪豚!
 サイコパスや人格障害の認知の歪みって
 ここまで異常なのかと思うと背筋が寒くなるわ


この設定、林真理子の小説「花探し」(2000年)まんまだという指摘は以前からあった。


929 :可愛い奥様:2012/03/07(水) 17:04:03.78 ID:ZbUTK5qd0
    このスレで話題の『花探し』読んだ。
    主人公が「二十歳そこそこから贅沢三昧な愛人生活」
    「趣味でコルドン通い」「付き合いには対価があって当然」
    「名器持ち」と、力士の脳内そのまんまww
    主人公は美貌の持ち主ってとこが力士とは決定的に違うけど。
    林真理子も今では力士を「近親憎悪」って形で絶対意識してると思うな。 


大人のパーティー
シティホテルで開かれた大人のパーティーに三時間十万円でよばれた花菜。食品メーカーに勤める矢野さんと出会い身体を重ねて気が合い、池尻大橋にほど近い1LDKの自宅に招待された。矢野さんは焼いた魚肉ソーセージを白飯に乗せ醤油をまわしかけたものや味噌汁をぱっと作って出してくれた。セックスでは花菜をいちいち食べ物に喩えた。また「ヘチマかと思」うような大きいペニスの持ち主で、花菜は結局三年つきあった。
《読解ポイント》矢野さんの巨根を自慢したいのか乱交パーティーを自慢したいのかその両方か、よくわからない章である。矢野さんオリジナル料理も細々書くには微妙なメニューで本当に何がしたいのかよくわからない。


207 :名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!:2009/07/08(水) 18:03:32 ID:qBTzD8b7P
 どうでもいい事を書きまくるのは自己愛とかいう頭のビョーキだと思う


伊東さんとの誕生日
11月、伊東さんが花菜の誕生日にメルセデスのリムジンで迎えに来てくれた。車内のスモークガラスの仕切りの向こうで関係したが、運転手は素知らぬ顔をしてくれた。南青山の大きなマンションに入ると秘書の森さんがティーセットと村上開新堂のクッキーを持ってきてくれた。「ここのクッキーは紹介がないと買えないんだよ」と伊東さん。誕生日プレゼントは淡いブルーに白い椿柄の絞り染めの着物だった。ディナーの帰りには日比谷花壇の花束を渡してくれた。また「KEIRINグランプリ94でがっちり儲けた翌日に小沢さんの家に御呼ばれし、京味のおせちをご馳走になった。素晴らしい一年だった」。
《読解ポイント》相変わらず好きなだけ妄想を並べた章。持っている着物については「夏に絽の訪問着と塩沢紬を買って、織りの着物は蝶々の柄が入った大島と琉球の花織りの二枚。染めは大島紬の絞りと宝尽くしの刺繍が入った飛び柄小紋。一番気に入っているのは、ピンクがかった藤色の菊菱柄ですね」とどこかのコピペのように語っている。子供があれも持ってる、これも持ってるとムキになっているのと変わりない。


616 :可愛い奥様:2010/02/21(日) 23:27:58 ID:ZSRuNXLT0
 力士はブランド自慢だけど、着物道楽は匂わせてなかったのかな
 私淑(pgrしていたハヤシマリコ先生に倣ってないよね
 「祖母から譲り受けた加賀友禅の訪問着を肌にまとうと…」
 云々言いそうなもんだが
 やっぱリアル力士に見えちゃうからか


648 :可愛い奥様:2010/02/22(月) 09:55:01 ID:N0ZIDCHR0
 着物道楽とまでは書いてないけど、まとめを着物で検索したら
 いくつか記事が出てきたよ。
 松井青々作の訪問着を新調した設定になってる。
 あと、年収ほどの着物をママに用意してもらったとか…。
 欲求肥満日記だから、着物の写真までは出てないけど…。


672 :可愛い奥様:2010/02/22(月) 12:11:34 ID:CIKs2kUYO
 松井青々って、標準体型向けの着物ばかりだったと思う
 大抵ボカシが斜めに入ってて柄がはっきりしてるし、
 布幅いっぱいまで柄がなかった記憶
 柄やボカシずらしまくって仕立てても、力士エの身幅は出ないと思う
 色無地は可能だけどね


945 :可愛い奥様:2012/02/13(月) 18:59:44.51 ID:erIqcQXo0
 着物はこんな設定

 >朝6時に家を出て、着物を着せてもらって、
 >ヘアセットして、朝のお茶会に出席してから

 自分で着たとか妹に着付けてもらったとかそういう設定ではないみたいw
 この後、通常通り食べまくってて読んでるこっちが苦しくなるw


962 :可愛い奥様:2012/02/13(月) 20:18:04.83 ID:h770axyQ0
 着物きるという行為は、莫大な小物も所有するハメになるってこと。
 着物と襦袢と帯で終わりじゃないわけ。
 帯止めや、かんざし、ぞうり、扇子に根付け。
 力士の性格からして、和装小物持ってたら、
 ひけらかさずにおられるわけがない。
 つまり、かんざしモロモロの小物は何一つ持ってない
 =着物なんか一枚も所有してないってことだよ。


963 :可愛い奥様:2012/02/13(月) 20:28:16.13 ID:mFZI7/0l0
 だよね? 泥大島とか結城紬とか京友禅と加賀友禅の違いとか志ま亀とか
 作家ものとか蘊蓄たれそう。
 お茶会は3ツ紋だとか5ツ紋とかなんとか


ごまかしようのないリアル
花菜はギャンブルで儲けたお金を東海銀行や富士銀行に預けていた。この時期たくさんの男性からの振り込みがあったが、今回の事件で警察が虱潰しに当たったのには驚いた。弁護人に「一回三十万もらって顔を思い出せないんですか」と聞かれたとき、三十万程度では覚えていないというと呆れられた。競馬は後に登場する理系男子「たっくん」に数式でリスクを説明され「馬券予想会社は詐欺的である」とまで言われ、止めた。私は嗅覚が鋭く、センスがある。男性に愛されるのも大金が動くのもそのおかげで「義理や見栄で、一度関係することがあっても、良くなければ次はない。凄く正直な世界である。私はセックスワークのそこが好きなのだ」。
《読解ポイント》ブログもそうだが後半にいくに従って展開が雑になり、本音が漏れるのが佳苗である。「登記していない法人名でも、架空の名でも都市銀行に口座が開設できるゆるい時代だった」と自慢気に書くのも驚くが「セックスワークのそこが好き」という身も蓋もないカミングアウトもびっくりだ。きわめつけは「騙される人は、知識不足はもちろんだが、嗅覚が鈍いのだ。騙される人に共通しているのは感度の悪さ。要するに鈍感なのである。これは理屈では語れない」。そうかもしれないけど、詐欺罪と殺人罪で死刑が求刑されてるあなたが言います? 本当に釈明する気は一切ないらしい。この本は何のために出版したのかと今さらながらため息が出る。


400 :可愛い奥様:2010/02/19(金) 00:58:07 ID:DPWEXDoo0
 騙される方が悪いって、子供の頃から平気で嘘付いてきた力士の
 体験から出た言葉じゃないの?
 力士は子供の時の体験がああさせたんじゃないかっていう説を
 唱える人もいるけど、私は力士に限っては性悪説を支持する。
 いい素質もあったと思うけど、それをみんな犯罪へのエネルギーにしている。


407 :可愛い奥様:2010/02/19(金) 01:22:49 ID:P0enKf9b0
 だまし騙されの日常を送ってるから、そういう言葉が出てきたんだろうけど
 Sさんと会ってる時も、妹達と会ってる時もそう思ってたんだろうか?


590 :可愛い奥様:2009/12/07(月) 14:15:13 ID:3obZZRmR0
 この一家にとって他人を感心させるための嘘や見栄は
 悪いことではなく「知恵」なんだろうね。
 まさかそこまでやれるなんて、と普通の人が想像もできないような事を
 平然と繰り返せるのが犯罪者のメンタリティ。 


佳苗には被害者寺田さんの姉の言葉をもう一度おくる。

「詐欺は騙される方が悪いと思われている。(殺人ばかりが報道され)働かずに盗むことが全く報道されていない。大した罪ではないと思われている。量刑とは何か」


デートクラブ
20歳のとき、健ちゃんとハイソサエティな紳士しか知らないのでは偏っていると思い池袋のデートクラブに登録した。その場でプロフィールを記入し、撮影して登録は終わった。初めて紹介された水谷さんは四つの大学の非常勤講師だったが愚痴ばかりだった。区役所勤務の佐々木さん、修復画家の二木さんも紹介された。みな一回のデートで三万円だった。ほかに一回二十万円くれるデート相手や競馬予想などでお金に困っていなかったので構わなかった。愛人倶楽部(「パピヨン」?)では羽鳥さんというパチンコ経営者とも知り合った。相撲のタニマチで金払いは良かった。祐天寺駅前では天野大輔にナンパされた。商社の財務会計を担当し、普段はボリビアに住む28歳だ。ボリビアの話が楽しかった。
《読解ポイント》どう考えても「パピヨン」に登録しているとは思えないランクの男性を登場させるために「健ちゃんとハイソサエティの紳士しか知らないのでは男性の評価に偏りが出てしまう」という謎理論で場末の池袋のデートクラブを出してくる佳苗。あんた何設定よ、男性評論家設定なの? と聞きたくなる。詐欺師はこういうふうに事実と嘘を交ぜることで言い逃れできるようにしているんだな、と感心する。


940 :可愛い奥様:2012/02/29(水) 22:12:26.10 ID:65ZBXsPF0
 ↓この会話だってどんなプライド?って感じ

 「セックスした相手は覚えてる?」と聞かれて
  「覚えてません」と答え
 「15万円振り込みされているが、セックス代金は1万円で残りが学費支援では?」 
 と聞かれると「セックスが1万円はありえません」と口調強めに答える 


1万円はありえなくても3万円ならOKらしい。そういえば住人が掘り当てた、誕生日、出身地、兄弟構成、入店日が佳苗のブログと同じというデブ専風俗店「ニューみか」の料金設定は、70分お勤めして手取り12000円から雑費2000円が引かれるというものだった。ちょうど1万円という値段が佳苗の神経を逆なでしたのかもしれない。


年下のたっくん
96年、次女が長野の短大に通うことになり花菜もキャンパスを見学に行った。この年、花菜も四年制私立大学の経営学部に入学、入学式には健ちゃんが、履修届を出す日は雅也くんが送ってくれた。母は花菜の大学に不満そうだった。この年、本屋で見つけた犬の雑誌で一目ぼれしシーズー犬を二匹飼った。そのうちの一匹がドッグショーで賞をもらった。花菜はシーズー犬サークル「カインド」を立ち上げ、スタッフを募集。応募してきたひとりがたっくんこと新井龍彦、上智大学理工学部数学科の学生だった。たっくんに告白され10月からつきあったが、健ちゃんのことは親戚のお兄ちゃんと伝えていたため、三人で東風荘というサイトで麻雀をするときはドキドキした。翌年9月には関谷真彦という男性とも知り合い付き合った。
《読解ポイント》次女の大学につきあう佳苗はまるで母親だが、長野大の男子と合コンする妹に偏差値を引き合いに出し「信州大学の男の子の方が良いと思うの」と言ったり、温泉コンパニオン(宴会のお運び)のバイトをすると聞いてエロいバイトと勘違いし「えっ!? 温泉コンパニオン……。どうしましょう。ああ、くらくらしてきたわ……」と動揺したりしているが、当の本人が無職で売春をしていると知ったら妹こそくらくらするだろう。さて、この辺りから住人たちが掘り出した人間関係が出てくる。「たっくん」はカインド掲示板でいう「アンパパ(アンというシーズー犬の飼い主)」、関谷真彦は「Sさん」である。彼らの登場時期についてはいろいろと推測されていたが、やはりもろに重なっていたようだ。


883 :可愛い奥様:2009/12/08(火) 21:04:44 ID:Ox56dgsY0
 Sのアドレスがsophiaというのは違います。
 sophiaはアンパパです。
 Sさんが学校の幹部職員だというのは雑誌の記事ですが、
 sophiaと関係があるというソースはありません。
 また、Sさんは多分カインド時代より後に
 知り合ったのではないかと思われます。


440 :可愛い奥様:2010/02/03(水) 03:09:43 ID:Bqzk3JVT0
 アンパパは本名まで暴かれちゃったじゃない。
 力士と本気で付き合って、童貞捧げた相手だし、
 ノコノコと降臨したりしないと思うわ。
 SEさくらは単なるセフレで力士のこと見下してた関係だから
 ペラペラとしゃべったけど、アンパパは本気で好きだった時期もあるから
 あんなふうに力士を悪く言えないでしょ。 


596 :可愛い奥様:2009/11/19(木) 03:06:28 ID:H4CX0xCa0
 つまり、平成11年10月1日、アンちゃんの飼い主として応募して来た人が
 アンぱぱだったって事ですな
 出会いはデブ専風俗ではなかった
 出自はなんとなくわかってきたけど、
 現在のアンぱぱについてはそっとしとくかな


741 :可愛い奥様:2009/11/17(火) 19:50:04 ID:lLDBXFAW0
 ご隠居とアンパパは交流あるよ。
 アンパパはドッグショーみたいなのも出てるし。
 ご隠居からしたらアンパパは学生だしまさか力士とは疑ってなかったかも。


524 :可愛い奥様:2009/11/21(土) 13:57:36 ID:CHm5uFqW0
 東洋大学ってキャンパスが東上線沿線だよね
 アンパパが住んでたと思しき朝霞にもある
 だからブランド的にはいまいちだけど、現実的だよね
 昔はバカ大だったろうけど、力士エの頃なら偏差値60位はいると思うし
 学力的にも現実的 



雅也君逝く
01年、健ちゃんとたっくんがドッグショーで対面、気まずい花菜は東京を離れることが多くなり、健ちゃんとは別れた。新宿歌舞伎町のホストをしている雅也くんと名古屋旅行をする花菜。しかしその後、雅也くんは多発性骨髄腫を患い亡くなってしまった。三女が大学に通うために上京、花菜と同居することが決まり、ペット可の板橋の物件に引っ越した。これを機に花菜は愛人全員と手を切った。上京した三女は実は妊娠しているが結婚してもらえないと言い出し、堕胎した(以前、次女も堕したことがあった)。花菜は関谷さんとだけは続いていたがエキサイトチャットにも入り浸った。そこで出会った南野弘行は埼玉在住のSEで、前科者でメンタルを病んでいた。二人で旅行もしたが、結局別れた。その後ストーキングされた。
《読解ポイント》雅也くんはセレブなのになぜ歌舞伎町でホストをしているのだろうか。何人かのエピソードを混ぜたのかもしれないが、意味不明な設定が多すぎる。そして次女や三女の堕胎経験を平然と書く佳苗が、今後どんなにいい姉アピールしても無駄である。南野弘行とは「SE@さくら」のことで、スレでの名は「自称元セフレ」である。彼がネットで喋りまくっていることを知ってか知らずか佳苗は彼に対して在日韓国人、前科者、精神障害、ストーカーなど言いたい放題。名誉棄損で訴えられても仕方ないレベルのことを書いている。SEと佳苗の出会いはすでに見てきたとおりソープ嬢と客としてであるから、エキチャで出会ったのも嘘、この頃もソープ勤務を続けていたのだろう。ちなみに板橋への引っ越しをさらっと書いているがこの頃、万引きやヤフオク詐欺を起こしていることを忘れてはならない。

■1999年 24歳
東京都板橋区のマンションに住み始める/頻繁に家賃を滞納/化粧品万引容疑で検挙
■2000年 22歳
本万引容疑で検挙
■2001年 26歳
[1月下旬]
ネットオークションでパソコンを売ると10万円をだまし取る
[5月]
銀行のATMで現金を窃盗して高島平署に検挙される


SE@さくらの書き込みを再掲しよう。


447 名前:名無しさん@十周年 投稿日:2009/10/31(土) 12:30:28 ID:8HCUuMgP0
 オークション詐欺のときに2回転居。
 転居を繰り返す理由が当時はわからなかったけどね。
 不動産屋めぐりに付き合ったことがある。
 好きなオトコが東武沿線のどこだかにいるので板橋がいいと言っていたが。
 いちいち転居とかそういうのが面倒になったんだろう。


好きな男=たっくん=アンパパのことか。なお、ご隠居は千葉に帰ったということだから、結婚話は立ち消えになったようだ。


178 :可愛い奥様:2013/11/10(日) 22:47:38.04 ID:cx3FYv6S0
 無理だろなぁ。まずご隠居と同棲してたときに高校生のときの
 窃盗がバレてたみたい。双方の両親が中元などやりとりしてて、
 結婚の話も出てたのに別れたのは、
 力士エの過去が問題になったのかもしれんね。
 どうやったって、本名たどれば前科はバレるっしょ。
 だから「吉川桜」は力士エにとって美しい自分だったのかもしれないけど、
 風俗源氏名が香るこの名前に固執してるってのもかなり妙なんだよね。
 Sの手前これで行くしかないって状況だったのか、
 その辺も掘り下げるべきなのに、なんか弱いな、みのり頑張れw 


死の連鎖
チャットをやめてネットで職探しをし、松戸のリサイクルショップ店経営者の秘書に応募する。男性は娘、妻とは別居、女性恐怖症の息子は一軒家に住んでいるとのことで、一人暮らしらしい。花菜はバランスシートと損益計算書を見て無借金経営であること、株と競売物件の転売で儲けていることを知る。週二回勤務、20万円プラス歩合、松戸のパン屋「ツォップ」でランチすることを条件に通うことにした。経営者とは五年付き合ったが男女の関係は一切ない。息子の嫁にならないかと言われたこともあった。06年春に仕事を辞めたが、経営者は6月には杖なしで歩けないほど弱っており、8月末に亡くなった。伊東さんとも会い、ヨットに乗ったりしたが、肺癌で夏に亡くなった。たっくんは京大院試に受かって京都で一緒に暮らそうと泣いて花菜は断ったが、関谷さんに「俺の女になる?」といわれて承諾。03年春に00〜01年のヤフオク詐欺で逮捕されるが、釈放される。たっくんは09年に心不全で亡くなった。
《読解ポイント》雅也くん、伊東さん、たっくんと、あまりにも人が亡くなりすぎではないだろうか。いい思い出のある人ばかりが亡くなっていて、架空なんじゃないのと疑いたくなる。死人に口なしといえば、リサイクル店経営者に関しても都合よく書いているが、佳苗は彼に嘘八百の経歴を語り、恋人としてふるまって7380万円引っ張ったことがすでに裁判で発覚している。小説だから、事件化していないからといってここまで勝手に書いていいものだろうか。


643 :可愛い奥様:2012/03/05(月) 23:47:34.43 ID:n2h+F5Bh0
 自分でも女性としての魅力に欠けているという自覚があるから
 わざわざ法廷で証明しようのない部分をエア自慢してるのでは?
 「お付き合いされていた生存者は皆さん『普通だった』と言っていますが、
 あなたに『機能が優れている』と言った男性は皆亡くなってますか?」と
 ズバッと追い詰めて欲しいわ。


406 :可愛い奥様:2009/11/06(金) 11:49:18 ID:noC/J09G0
 妻子とは別居中。
 リサイクルショップが儲かっていたのにけちで有名で、
 よく閉店間際のスーパーで食材買ってたって。
 それで貯めたお金を力士に。
 「ボストンの音楽学校に留学中、両親を飛行機事故で亡くして苦労している」
 という設定を信じ込み、キャッシュカードなどを渡していたとのこと。
 「帰国中(設定上w)」はデートして、周囲には力士の事を
 「娘みたいなもの。老後の面倒を看てくれる人」とを語っていた、ですってー。


416 :可愛い奥様:2009/11/06(金) 11:55:16 ID:+ohCEU3xO
 肌身離さず力士の写真持ち歩いて、
 ことあるごとに力士の身の上(父が飛行機事故でしんで
 母が病気の音大生という設定)を周りに話すほどのめり込んでいたらしいです。
 力士の妹と二人で、いずれ老後の面倒みてもらうつもりだったようです。
  「小和田家と血のつながりがある」という力士の話も信用していたようです。
    …。


464 :可愛い奥様:2010/02/03(水) 10:46:39 ID:l00kBiYG0
 松戸の人なら友人に「今、交際している女性だ」と写真を見せているから
 少なくとも爺さん自身は恋愛もありだと思っているはず。
 松戸は女好きということだから男女の関係はありそう。
 野田の安藤さんはどうだか不明。
 でも介護される程具合は悪くなかったみたいだから怪しいかな。 


468 :可愛い奥様:2010/02/03(水) 11:02:49 ID:Bqzk3JVT0
 リサ爺さんの知人が「ホテルに2人で泊まることもあった」と
 証言してるから肉体関係含めて周囲に自慢してたみたいね。


476 :可愛い奥様:2010/02/03(水) 11:53:03 ID:Bqzk3JVT0
 リサ爺さんも強欲すぎたんだよ。
 セレブで高貴な女性(と信じた)のパトロン気取りで援助しつつ、
 ちゃっかり身体の関係は持って愛人として確保もしてるし、
 ゆくゆくは老後の面倒を三女と2人で看てもらうという
 目的のための援助なんだもん。
 それも、返済してもらう予定での貸付けで、
 お手当てとしてあげたものじゃないし。
 ただ金を貸しただけで将来有望なセレブ一家(と信じた)のお嬢様が
 自分の愛人として老後の面倒みてくれると期待するなんて、
 欲の皮がつっぱりすぎ。
 詐欺に遭う人って「欲」を上手く操られてひっかかる。
 無欲な人には詐欺師はお手上げ。
 いくらエサぶらさげても食いついてこないから。


627 :可愛い奥様:2012/02/18(土) 09:51:51.25 ID:OBPkju3D0
 以前から思ってたことだけど、力士が殺人鬼に変貌したのは
 リサ爺との不幸な出会いがあったからだよねぇ。
 それまでは底辺ソープやデリヘルの、
 お茶っぴき売れない風俗嬢でカツカツの生活してたのが
 リサ爺という一発ドでかい太客がついた。
 てか、大金を詐欺れてしまった。
 あぶく銭で生活がド派手に変貌し、
 リサ爺死後も同じような設定で詐欺ろうと老人探すも
 ぽっちゃり風俗嬢さくらのブログで必死に営業かけるも、
 2匹目のドジョウは現れず、
 路線かえて、ごはん日記で婚活詐欺殺人路線にまっしぐら。
 リサ爺と出会ってさえいなかったら、
 底辺ソープ嬢の身の丈に見合った地味な生活しつつ
 万引きやヤフオク詐欺程度の、しょぼい犯罪歴のまま
 バカを騙して普通に結婚してたかもしれない。
 ブタにエサやっても、破滅させるだけなんだね。


関谷親子
拘留から解かれ、三カ月経って関谷さんに連絡すると「SARSだろ。俺は学校に勤めてるんだからうつる病気は困るんだよ」とにべもない返事が来た。それを聞いた花菜はストレスから突発性難聴と左顔面麻痺になる。それでも関谷さんと付き合い続け、霞ヶ浦や裏磐梯にも旅行に行った。関谷さんは当時常にお金がないとぼやいていたが裁判で「私はここ数年、勤務先から年収で七、八百万程度の給料を貰っていますが、特に贅沢な暮らしをしているわけではないので、自分の給料で十分に生活していけます」と語ったのには驚いた。花菜は関谷さんに吉川桜と名乗っており、信用させるために新しい携帯を買って架空の母「吉川淳子」をつくり関谷さんとメールしていた。そのせいか関谷さんはある日突然「父に会って欲しい」と言い出した。みすぼらしいマンションに暮らす老人は息子について愚痴り、花菜は慰問のつもりでときどき出掛けた。
《読解ポイント》なんとなんと、「欲求不満日記」でさんざん語っていたSさんとメールをやりとりしていた「母」が佳苗の自作自演だったとは! そこまでするか。ということは、結婚を母に止められているという設定も嘘ということになる。結婚しなかった本当の理由は何なのかを考えるに、もちろんSさんのモラハラもあるだろうが、「吉川桜」で出会ってしまったことが大きいだろう。最初に考えていたより好きになってしまったのだろう。そして母を騙ってメールしたのは、モラハラが腹立たしいから騙してやろうという思いと、ついでに本音を引き出してやろうという考えではないか。そうでなければ、カモでもない(それどころか佳苗が貢いでいる数少ない男性)Sさんにそこまで労力を割く理由がない。


517 :可愛い奥様:2010/02/03(水) 13:35:15 ID:te1DrznT0
 欲求不満日記の頃にSさんとの性的なことを書いているけど
 あの頃はククパドとは違って赤裸々で本音に近いと思うんだけどな。
 見栄だったのなら、Sが結婚してくれないとすら書かなそう。
 「彼には今すぐにでも!と結婚を熱望されておりますが、わたくしは
 今仕事が楽しいのでおあずけしています」とかね。


521 :可愛い奥様:2010/02/03(水) 13:47:26 ID:Bqzk3JVT0
 私もそう思う。
 Sさんが自分と結婚してくれない現実を
 「母親が反対してる」という脳内転換して、自分に嘘ついてたと。
 いい年した大人で前科持ちのできそこないの娘を貰ってくれる
 一般人の人を反対する理由ないもの。


387 :可愛い奥様:2010/02/13(土) 00:30:52 ID:3zSExUWk0
 力士はSさんという「モノ」を手に入れたかった半面
 誰か書いてたけど代償欲求を満たしたくて飢餓状態だったから
 誰と結婚もできなかったと思う。
 力士が求めてるのって、親に対する無条件の甘えのようなもので、
 それはSさんは絶対に力士には与えないもの。
 Sさんが欲しい!でもSさんじゃ満足できない!と
 ものすごい葛藤があったと思う。


981 :可愛い奥様:2009/11/09(月) 11:42:40 ID:QF2DsPSC0
 力士の父親は結構厳しくて、怒鳴ったりする人だったっけ?
 結局力士はファザコンなんだろうね
 自分を怒ったり、突き放すような男性が理想
 だからお金をくれてチヤホヤしてくれる円光オヤジや詐欺の被害者は嫌い
 Sさんが力士の外見をバカにしたエピや料理を作りなおさせたって記述が
 ブログにあったけど、
 自分に媚びずちょっと冷たいところが力士は好きだったのかも 


『礼賛』にはSさんの裁判でのふるまいについて長々と書いている。弁護人に、過去に佳苗にモラハラを指摘されたこと、佳苗と付き合っている間に上半身裸の写真を複数の女性に送ったこと、実は養子だったことなどを聞かれ、Sは認めたと嬉々として書いているし、「吉川桜」を本名だと思っていたことの間抜けさを強調、母を騙ってメール交換していたことも自慢気に記し「私が関谷親子を騙そうと思ったら、一カ月で全財産を奪うことができただろう。そうしなかったのは、私が彼の父を慕っていたことと、彼らには、目ぼしい財産がなかったからである」と自分に生殺与奪の権があるかのように書く。Sさんを騙されやすい人間と扱うか、モラハラ加害者と扱うか、金があるくせにないふりをして佳苗に貢がせていた図々しい男と扱うか決めかねている。こんなにムキになって書くのは、本気で好きだったことの自白でしかない。


386 :可愛い奥様:2012/02/17(金) 21:01:50.30 ID:Lr25zyffO
 Sは検察証人で出廷した時点で、敵認定なんだろうね。
 力士がSのこと「セックスの対価にお金を求めていることに失望した」って
 言っていたけど、自分はそれで生活していた癖にね。 


397 :可愛い奥様:2012/02/17(金) 21:17:30.63 ID:f3WdPKNF0
 Sさんの証言は重要だよね。
 彼が「あなたと結婚したいといつも言われていた」って
 証言したら、S以外の男との付き合いは全て結婚詐欺と確定。
 お金を搾り取った後は、邪魔だから殺したって
 動機づけまで出来てしまう。
 だから今日のプチ暴露は、
 「共犯にされたくないなら、黙ってな!」ってことかと、、、


父の恋人
04年、次女が結婚した。最初に婚約していた男性と別れ、別の男性と入籍したときには前の婚約者の子供を妊娠していた。泣く泣く堕胎し、入籍を聞いたときにはもう夫の子を妊娠していたのには驚いた。出産に合わせて母が上京したが相変わらず無神経な言動をくり返し、次女は発熱。それ以来、母が上京するたびに兄弟は押し付け合った。父は頻繁に上京していたが、あるとき東京に恋人がいると子供たちに告げた。大学時代の同級生でお互いフリーになって相思相愛を確認したという。父は母に離婚届を送っていたが母は頑として判を押さなかった。
《読解ポイント》本筋(があるのかももうわからないが)と関係のない次女の堕胎の経緯を得々と語る佳苗。一般社会で二児の母として普通に、いやむしろ目立たないように暮らしたがっているであろう次女の恥部をどうして書けるのかその神経がわからない。説明できるとすれば一言、嫉妬だろう。

05年になって疲労、不眠、孤独感などで気力が減退。知り合いの医師に紹介状を書いてもらって港区のメンタルクリニックに行った。その後、近所のクリニックに変え、パキシルなど三種類の薬を処方された。「適応障害」の症状が一致、帯状疱疹も出た。そんな花菜にまったく気づかない関谷さんの様子に腹が立って、高価な釣り竿のガイドをすべて折ったこともあった。不安定な時期でも関谷さんの父が入院する病院に見舞いに行っていた。八月に亡くなったが、外面のいい弔辞を読む関谷さん、金をたかりにきた彼と血のつながりのない叔母に呆れた。そのいざこざも関谷さんは花菜の母にメールで相談していた。相手が花菜とも知らずに……。
《読解ポイント》05年に父が亡くなり、愛人たちも消え、Sさんはモラハラとくれば鬱になるのもわかる。しかし、精神病にやたらと偏見のある佳苗が自ら本に書いたのは意外だった。ブログ(のコメント欄)ではすでに知られていた事実ではあるが。


私は去年の始めに、仕事も休職しなくてはいけないほど体調を崩してしまいました。
大学病院で精密検査をしても、体に悪いところは見つかりませんでした。
病院を変えて、検査もしました。 私に示された病名は「適応障害」でした。
カウンセリングを続けていくうちにac(アダルトチルドレン)であると言われました。
子供らしい幼少期を満喫出来なかった為に、 対人関係や精神的不安定の
問題を引き起こしやすい性格が形成された人のことをいいます。
私はそれほど深刻な状態ではなく、ac気味だと。
(「子供らしさ」2006年7月7日・「桜の欲求不満日記」)


「ac気味」というかACそのものだし、佳苗がACでなくて誰がACなんだというくらいお手本のような成育環境だが、つい「気味」と見栄をはってしまう佳苗。


悲しい日が続いて、体調も悪くなった時、突然、理由もわからず、涙が出てくる瞬間が、
何度もあったのです。
たとえばカフェでお茶を飲んでいて、街を眺めると、たくさんの人が歩いていて、
楽しそうな幸せそうな人を見ると、涙が出てくる。
人ごみは特にだめでした。
人がたくさんいる場所に行くと、なぜかわからず涙が出ました。
家族や友人に心配され、病院にも行きました。
眠れなくなり、仕事も手につかなくなりました。
どうしようもない状態まで追い詰められた時、以前お付き合いしていた彼に会いに行きました。
私は今の彼以外に二人の男性しか知らないのですが、今二人は仲良しなので、
たまに連絡を取り合って、私の話をしているみたい。
仕事をお休みしなくてはいけないほど弱っていた時、京都にいる彼に会いに行ったのだけれど、
彼の顔を見たら何も話せなくなった。
彼も同じだった。私が泣くと、彼は何も言わずに隣に座って手を握ってくれた。
京都駅で、会話もなかったけれど、ただそれだけで私の心は穏やかになった。
(「涙のわけ」2006年7月8日・「桜の欲求不満日記」)


たっくんに会いに行った? たっくんとSさんが知り合い? 「今の彼以外に二人の男性しか知らない」!? ……。
当時の佳苗の行動はこうだ。


■2005年 30歳
 父死亡
 佳苗が位牌・遺骨を東京の寺へ
 永代使用料などを含め3000万円前後
■2006年 31歳
 [10月]
 板橋区のマンション(家賃約13万円)に引っ越し
 家賃滞納なし・部屋もきれいに使っていた・理想的な入居者
 [12月〜]
 東京都板橋区にある医療機関に通い始める


転落ーみんな逝ってしまう
05年8月末に父が車で事故死した。最初、行方不明と聞いて駆けつけたが見つからず、東京に戻ったところで再度連絡が来て仮通夜、葬儀が行われた。母も参列したが「小劇場の舞台女優みたいに、おいおいと泣き出した。意味がわからなかった」。花菜と三女は東京に転籍した。母は自宅に戻ることを許されず、実家に帰った。没後に見つけた父の日記には恋人との日々や母や本家の祖父母への思いが綴られていた。花菜は浅草に父の墓を買った。兄弟で集まると決まって父の話になった。07年、リサイクル店経営の男性が亡くなった。08年、インターネットによる婚活を始めた。「婚活の話はまた、別の話ーー」。
《読解ポイント》08年以降の佳苗の行動を見ておこう。

■2008年 33歳
[3月]
ブログを始める
[夏]
運転免許取得
[9月]
銀色のCクラスの中古ベンツ約500万円を一括払いで購入
静岡県40代男性から130万円を詐欺
[10月]
長野県50代男性から約200万円を詐欺
■2009年 34歳
[1月6日]
医療機関で睡眠導入剤の処方が始まる/1月に2回
[1月]
青梅市の男性から女へ数百万円が振り込まれる
[2月4日]
青梅市の男性(当時53)が自宅で練炭自殺/男性は約1,700万円を女に渡していた
警視庁が電話で女に心当たりがないか聴いたところ
「『(男性は)もし結婚できないんだったらもう死にたい』と話していた。自殺したのでは」と話す
[2月]
Eクラスのベンツに買い替え(13日ブログに記載)
[3月]
睡眠導入剤の処方
[3月末〜]
1講座65万円の都内料理学校に通始める/複数の講座を受講 
[4月]
練炭(8個入)、七輪、着火剤のセットを購入
[5月15日]
野田市の男性(当時80歳)が自宅火災で不審死
女に130万円を振り込んでいたほか火災当日に女が男性の口座から180万円を引き出す
千葉県警が女と不審死との関連をつかみ内偵捜査を進める
[春頃]
駐車場代を前払い
[6月]
睡眠導入剤の処方
ベンツをバイクにぶつける物損事故
[7月]
睡眠導入剤の処方
練炭(8個入)、七輪、着火剤のセットを購入
[8月1日頃?死亡数日前]
男性(41)が金融機関の窓口で約470万円を引き出し女へ手渡す
[8月3日]
医療機関から睡眠導入剤「トリアゾラム」三週間分を処方/「旅行に行くので多めにほしい」
[8月5日]
・19時頃
数日前に女に現金を手渡した男性(41)が都内でレンタカーを借り板橋区の女の自宅へ/夕食
車で埼玉県富士見市方面へ出かける(所沢方面に向かった後Uターン)
・22時頃
女と見られる人物が富士見市の駐車場近くからタクシーに乗車し板橋へ
女はタクシーの車内では無言で板橋区のマンションの駐車場で降りると
高級外車のドアをリモコンキーで開けたという/当時マンションから徒歩2分に駐車場があった
・22時30分頃
レンタカーが駐車場で目撃される
[8月6日]
・07時20分
駐車中のレンタカー内で男性(41)の遺体発見 
[8月9日]
福島県の中ノ沢温泉の旅館に男性と宿泊
[8月上旬(41歳男性死亡後)]
豊島区内のマンション(家賃21万9000円)に引っ越し/前のマンション契約は解約せず
[8月]
長野県50代男性から約140万円を詐欺未遂
埼玉県30代男性から約70万円を詐欺未遂
池袋の家電量販店で約50万円分の買い物
練炭(8個入)、七輪、着火剤のセットを購入
[8月〜9月下旬]
女が外出する際には埼玉県警の捜査員が張り付き、女も気づいていたが無視を決め込んでいた
[9月]
睡眠導入剤の処方
[9月初め]
任意同行
埼玉県警が詐欺容疑で女の自宅を家宅捜索/未使用の練炭、睡眠薬、高級外車やパソコンなどを押収
[9日]
ブログ閉鎖
[15日]
結婚紹介サイトで40代の男性と知り合う
[16日]
40代の男性を池袋のマンションに招待
[19日]
40代の男性と千葉県内で同居
女は大学院に通い「学費が納められない」と話し約450万円を受け取る
[25日]
女の尾行を続行していた埼玉県警が男性2人から計320万円をだまし取った疑いで逮捕
「近所の人たちと『何だろう、車が止まってて気持ち悪いね』って。
聞いてみたら埼玉県警の人っていうのが分かった。
順番に入れ代わって長時間何かを見張っている感じだった」
女の口座にほとんど残高はなく、借金が数十万円あった
■10月
[21日]
起訴
別の2件計210万円の詐欺未遂の疑いで再逮捕 


終章
この本には真実を書くと家族には伝えていた。母は怒り「執筆をやめないのならば、弟妹との連絡を取ることを許さない、今後の支援は考えさせてもらうことになるとわめいた」。原稿が完成に近づくと東京拘置所に移送された。非人道的な環境でも絶望しなかったのは支援者のおかげだった。高価なタオルやハンカチ、下着を送ってくれる人がいた。「革命的な事件を映像化したい」と言う女性からハガキも来た。拘置所内で精神科医の受診もした。物品制限などでストレスがたまるが、食の楽しみでなぐさめている。私の発信で罪と罰と更生の問題に目を向けて欲しい。
《読解ポイント》「死刑判決を受けた人間は処刑されるのが当然の、自分達とは違うモンスターというイメージが報道によって世間に刷り込まれてゆく」。それを覆したいというのがこの本の主旨のひとつらしいが、さて覆されただろうか。わたしはむしろあらためて佳苗のモンスターぶりを思い知ったのだが。