20100329

桜の開花宣言から一週間、なんだか肌寒くてお花見イメージが湧きませんね。
6年ほど前から谷中墓地で花見をしていて、今年は4月第一週の土曜日を予定しているのですが、寒かったらどうしようと今からやきもき。
でもこの悩みも春ならでは、ちょっと楽しくもあります。


さて、今日は仕事のお知らせです。
『近代ナリコ責任編集 鴨居羊子の世界 ミス・ペテンの下着革命』に「荒野の女二丁拳銃使い」を書きました。
鴨居羊子といえば、下着や人形やイラストなど女の子が好きなかわいいものを生み出す人というイメージがありましたが、いただいた資料を読んだら、大柄で力持ちだったり経営者として優秀だったり、男性的な面もあることに驚かされました。
そんな多面性のある人なので、まるごと一冊鴨居羊子、な本書は彼女をじっくりご堪能いただけるいい機会になることと思います。
個人的には「面白半分60 夕焼け小焼けで陽がくれて… 鴨居羊子 田辺聖子+カモカのおっちゃん」の対談がツボ。
「最低の次元から人間生活が始まっていくというのを自覚するの好きなんや」という話から、戦前の優雅な夜の過ごし方、子供生活の忙しさ、「女はもっといばれ」というカモカのおっちゃんの力強い主張に鴨居羊子が「おっちゃん、ものすご女性の味方になったんやね」というと、田辺「これはね、十何年論争してやっとここまでなったの」カモカ「こっちが飼育されたの」田辺「鍛えたの」カモカ「ほいで女の旗手になっとんねん」田辺「わたしは馬子よ。いや、騎手か(笑)」カモカ「ワシはジャンヌ・ダルク号や(笑)」といったやりとりや、合間に入る「そや」「そやそや」という軽妙な大阪弁が臨場感があって、とても楽しい読み物です。
ほかにも角田光代さん、雨宮処凛さん、上野千鶴子さんらのエッセイや藤本義一との対談、当時の記事の再録、鴨居羊子監督映画『女は下着で作られる』のコマ画像など、盛りだくさんな内容なので、ぜひお手に取ってみてください。

20100322


こんばんは。
今日は久しぶりに?イベントのお知らせです。
「第5回 ちいさな古本博覧会」に「平山亜佐子セレクション 不良少女の匣」として、わたしの選んだ古本(『明治 大正 昭和 不良少女伝』関連もしくは参考文献含む)や女子向け古本を高円寺書林さんに置かせていただくことになりました。
そして4月10日(土)には15:00〜2525稼業のライブもさせていただきます!(たっぷり1時間ほど)
先日のイベントで販売した戦前文化バッジの再販もあり。
以下、イベントの詳細です。


「第5回 ちいさな古本博覧会」ブログ
2010年4月10日-11日(日)10:00-18:00
@西部古書会館 杉並区高円寺北2-19-9
昭和[懐新]カルチャー
戦前から、戦後、半世紀以上の長きにわたり、さまざまな文化が生まれては消え、めまぐるしい変遷を繰り返してきた昭和。
エロ・グロ・ナンセンスで明け、戦時色に染められ、カストリ文化の時代を経て高度成長、出版ブーム、そして、アングラ、カウンター・カルチャーへ……。
面白くて、不思議で、懐かしくって、新しい。
各参加古書店が、独自の視点から、昭和の「懐かしいのに、新しい」本を持ち寄り、販売します。
あんなこんな昭和の姿、本を通じて感じてみてください。

[ガレージ・ライブ]会場:西部古書会館 屋外駐車場スペース
4月10日(土)
14:00〜 オグラ(インチキ手廻しオルガン)
16:00〜 Pippo(文系 Fantasic Singer)

[スペシャル・イベント]会場:西部古書会館
根本敬トーク・イベント
4月10日(土)19:00 〜(18:30開場)
入場料:1000円(要予約→こちらから) 定員 50名

【ここからわたし関連の告知です】
[サテライト企画]会場:茶房 高円寺書林 東京都杉並区高円寺北3-34-2
「平山亜佐子セレクション 不良少女の匣」
4月10日(土)11日(日)両日とも高円寺書林さんに置いていただきます。
『明治 大正 昭和 不良少女伝』(河出書房新社)の著者・平山亜佐子が選んだ注目の古本を中心に、女子のための古本を展示即売。
参考文献なども含まれるかと思います。

2525稼業ライブ
4月10日(土)15:00〜 会場:茶房 高円寺書林 入場は無料。
オリジナル曲、端唄、俗曲、昭和初期のナンバーなどたっぷり1時間演奏します。

20100307

こんばんは。
またまたまたまたまた『明治 大正 昭和 不良少女伝』の書評のお知らせです。
本日発売の産經新聞「読書」欄に於いて「『女性は強い』は変わらず」と題して辛酸なめ子さんに拙書をご紹介いただきました!
「明治や大正に生きた先人は、現代よりも道徳観念の強い良識人だと勝手な先入観を抱いていました」として、不良少女たちの各種エピソードをたくさん引用してくださっています。
確かに戦前の人には、お行儀が良くてのんびりしたイメージがあるかもしれないですね。
でも、いつの時代も人間の本質は変わりません。
とくに若者の暴走は時代を如実に反映していて興味深い。
2525稼業でカバーしている戦前の音楽もそうですが「長い袖着ろお化粧しろ 商品見本じゃあるまいし ああ憂鬱よ おかしくて お嫁になんかいけないわ」「人がモテるといってくよくよしなさんな 彼といえども踊るときの相手はひとりです」などなど、現代人の感覚にも充分通じる、むしろ現代人的感覚のはしり(つまり「近代」のはじまり)をあらためて感じることが、戦前文化にはままあります。

辛酸なめ子さん、ありがとうございました。
ちなみに、なめ子さんは以前わたしの一冊目の本『20世紀 破天荒セレブ ありえないほど楽しい女の人生カタログ』の書評も書いてくださいました。
前著に引続きご紹介くださって、嬉しいな。

20100304

またまたまたまた『明治 大正 昭和 不良少女伝』の書評関連のお知らせです。
まず、ちょっと遅くなってしまって申し訳ないのですが『クィック・ジャパン』Vol.88のBookコーナーで島しま子さんにとりあげていただきました。
「彼女たちの原動力は『ここではないどこか』への欲望。一代限りと腹をくくって鮮やかに散るも潔し。だがしたたかに年を重ね、しれっとした顔で子や孫の手をひき街を闊歩しているとしたら……。」という部分、しみじみしてしまいました。
社会状況を受け入れる実際主義と、それを乗り切るファンタジーを往復する存在と捉えてくださってとても嬉しいです。
ありがとうございます。

もう一件は、今出ている『R25』259号「R25的ブックレビュー」
明治、大正、昭和を見直す本として『不良少女伝』も入れて下さっています。
ありがとうございました!