20100731

以前、トークイベントで話したりブログにも少し書いた本荘幽蘭について、時間を見つけてときどき調べています。
今日はデータ化された新聞記事と、2、3の書籍を閲覧しました。
集めてみるとほとんどが噂レベルの話で(記者時代に幽蘭が軍人の妻や両親にインタビューした真面目な記事は除く)実際に行なったことかどうかすらあやふやな情報ばかりでした。
幽蘭という人は、やれロシアで茶店を開くだの有楽座で旗揚げして帝劇と闘うだのと気焔を上げては、資金の手当がつかずに企画倒れというパターンを繰り返しているらしく、そのうち名前を聞かなくなったと思ったら長崎や大連でひょっこり姿を見かけるというのがお決まりのようです。
神出鬼没すぎて足跡を辿るのがかなり難しい。
生きてるときですらUMAのような(!)人なんですね。
でも、それぞれのエピソードになんともいえない味があって、憎めない。
もし本にするとしたら、いわゆる伝記的なまとめ方より、おもしろエピソードや噂話を並べて「しょうがないなあ」と笑っていただく方が楽しいかもしれません。

例えば、今日見つけた記事のひとつは、明治40年3月17日朝日新聞の東京勧業博覧会に関する「博覧會片々」。
3月20日の開催まであと3日、着々と整う準備について描写された記事で、「會場内の整理」「周遊館の絵画取附」「画家とモデル」「公園付近の装飾」「本郷區小學校の出品」「神楽坂と富士見坂」という小見出しが続くなか、最後に「不気味な茶店」。
はい、幽蘭先生の茶店です(もう、先生と呼ばせていただきます)。
記事によると「女記者となり女俳優となりて暫く姿を隠せし幽蘭女史本荘久代は博覧会當込みに花園町辺へ幽蘭軒といふ喫茶店を開き店前(みせさき)の建札に「黒き紅きくさぐさの筆をとり/\”の右手止みがたきを好奇心(すきごころ)の、うつゝともなう茶盆に替へサゝ茶(ぶゝ)召せとさゝぐるは蘭(あらゝぎ)の茶屋の幽蘭女史」など筆太に記すとは凄じき事なり」とのことで、どうもこの立て札が不気味ということらしい。
博覧会を当込んで開店する辺りは機をみるに敏なんですが、こういういらんことしぃなところが幽蘭先生にはある。
先生に特徴的なのは常に主張があるということで、どんな状況で誰を相手にしていても滔々と何かについて語る癖があるのです。
幽蘭軒の立て札にしても、耳目が集まるとあらば多少商売に差し障りがあっても、先生自らが筆を執ることを厭わない。
むしろ厭った方がいい気がするけど、そこは譲らない。
そんな幽蘭……もとい、幽蘭先生の脱力エピソード、機会があればまたご紹介します。


話はガラリと変わりまして、オンデマンドTシャツ屋さん「Tee Party」のわたしのレーベル「モダン新語辭典」に新シリーズが登場しています!
戦前のマッチラベルをデザインしたもので、ひとまず「カフヱー正チャン」「SUMIRE BILLIARD SALOON」の2つです。

 

色も何種類かございます。
今後も続々増やしていきますので、ぜひ見てみて下さいね。

20100716



言葉遊びの話題の続き。
ネットの掲示板に「頭がおかしい人を装」って書込みするコーナーがあって、もちろん書いている人の頭は正常なのですが、なかなか秀逸な詩(といっていいでしょう)がいくつかあったので、それに曲をつけたことがあります(未発表)。
以下の4つの詩です。
なお、タイトルは便宜上つけたもので、元の書き込みにはありません。


題:ながいながい

ながいながいながいながいながいながいながいながいながいながい

一番ながいのはおとうさんです
つぎはおかあさんです
つぎはぼくです
つぎはいもうとです

ながいながいになってきたのでぼくはきりました
おはながさきました
いもうとがいません
ぴんくではありません
ながいながいはおかあさんがよんでました

だからながいながいなのです
おとうさんはいません
きらきらひかります
ながいながいです


題:黄金の手 ※元の書き込みにタイトルあり

今も痒い。

パルスはこうだ、010110010101101101201001020102001

地球上のパルスには0と1しかない、2が入っているからこれは
アルクトルースからの信号だと識別可能なんだ。

翻訳には時間がかかるが、必ずここにいる気狂い扱いされている
目覚めた仲間たちを救い出す。
そして、まだ目覚めていないものたちを目覚めさせる。


題:犬作

犬作! わん!
犬作! わんわん!
犬作! わんわんわん!
犬作! わんわんわんわん!
犬作! わんわんわんわんわん!
犬作! わんわんわんわんわんわん!
犬作! わんわんわんわんわんわんわん!
犬作! わんわんわんわんわんわんわんわん!


題:四角い箱

まず四角い箱をつくります。
ボール紙で作ります。
正方形にして下さい。
長方形にすると危険なので・・・
長方形にするときは決して人の髪の毛や爪など
体の一部分を入れないようにして下さい。
死人が生まれます。
正方形の場合は鬼が生まれるので大丈夫です。
鬼は人のいうことを聞きますが、
死人は人のいうことを聞きません。
だから鬼よりも死人の方が危険なのです。


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ここで少し告知をば。
「茶房 高円寺書林」の原田さんと木村カナ氏が編集している高円寺と本のフリーペーパー『こ・ら・ぼん vol.3』の1ページに、コラージュとそれに合わせた言葉を書いております。
高円寺書林さんの『こ・ら・ぼん』に関するエントリはこちら
目にされたらぜひお手に取ってご覧下さいませ。

20100708



一昨日に引続き、子供の遊び歌の話。
ネットで知った詩が面白かったので、体裁をまとめて数年前に歌にしました。
(どこにも発表したことはないけど、メロディ(カラオケ)はこちら→MP3
こんな歌詞(詩)です。

むかしむかしのついさっき その日は朝から夜だった
どんより曇った日本晴れ 生まれたばかりの婆さんが
95、6の孫連れて 水無し川に飛び込んだ
それをめくらが発見し おしがツンボに電話した
一人の警官ぞろぞろと 曲がった道をまっしぐら
正義の味方の悪漢が 黒い白馬にまたがって
前へ前へとバックする

むかしむかしのついさっき 月の出ない月夜の晩に
旨くてまずいラーメン食って 金を払って食い逃げし
丸い豆腐の角っこに 頭ぶつけて死んじゃった
それを見ていた男の母さん 腰を抜かして立っていた
プロペラなしの零戦が まっさかさまに飛んでいる
13月の32日 百歳ぐらいの若者が
さびた刀をギラギラギラ

20100707




こどもの遊び歌にはシュールで面白いものがある。
時代や地方によって微妙にバージョンが違ったり、由来もわからなかったりして興味が尽きない。
そういう歌を思い出したり聞いたりするたびに書き留めて、いつかライブで歌いたいと思っている。
誰もが知っている遊び歌のひとつは「どちらにしようかな」で、これは無限にバージョンがある。
わたしが歌っていたのは

どれにしようかな 天の神様のいう通り
あっぷっぷ 柿の種
鉄砲撃ってバンバンバン
あのねのね かのねのね

「かのねのね」が何かはわからないが、誰かが言っていたのを横で聞いてくっつけたのだろう。
いくつかのものを選択するときに歌うので、いやな方にならないよう、なりそうになったら別な言葉をくっつけるからどんどんのびるのだ。
この歌はwikipediaその他のサイトにも詳しいが、わたしが知った他のバージョンは以下。

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どれにしようかな 天の神様のいうとおり
あっぷっぷ あのねのね

柿の種 金魚鉢
アブラムシ 救急車
曲がり角 ご飯粒
塩なめた さとなめた
あかさたな はまやらわ

バラの花のいうとおり

表の看板しゃみせん屋 裏からまわって 三番目
牛買おか 馬買おか 牛のかわりに馬買った
豆が付いていたような気がしたけど忘れちゃった
うらのごんべいさんに聞いたらよくわかる
かもしかもしかもしかもしか
キツネとタヌキにだまされるなよ
にんじん食って真っ赤っか だいこん食って真っ白け

車に轢かれてぺっちゃんこ
ご飯粒落としたのだぁれ
電信柱に花が咲く
ゲゲゲの鬼太郎走ってる
Good-By Good-By Good-Byちゃ
森本レオの宝物
いぬのげたばこの、はんたいの、はんたいの、はんたい
ぽんぽこぴーのぽんぽこぽん たぬきのへそに あなあいた

電電公社の風車 水車 砂車
隣のばか娘 メガネが割れた
あぽぺのすぽぺ くじらがとんだ
なのなのポポエ 仲良しこよし
へのへのもへじ なぞなぞなすび
リスリス小リス

ゴミ箱あけたら蛇が出てくるよ
玉手箱の中のエビフライの中のエビ
ブタのケツなめた おいしいかい おいしいよ

ちくたくちくたく マヨネーズ
おっぺたーの、すぺったーの、たんぱけた
あ〜たったら すっぽろぽんの ぽん
チュン・チュクリンのチュンチュン
ぷっとこいてぷっとこいてぷっぷっぷ
ぎっこんばったん ぎっこんばったん
プンプクプンノプンプンプン
(鉄砲打って、死んじゃった)バッキュン、バッキュン、バッキュンキュン
どっつんべったんとどっこいしょ
ガッケのゲッケのゲッケのゲ
ぴったかぴったか、ぴっ、ぴっ、ぴっ
べっちゃかぶっちゃか言うとおり
あべこべなべこべ
ちゃかぽこ ちゃかぽこ なんまいだ
スッカラカンのすっとんとん
アップクープーのプップップ
おっぽこぽいのぽい
ビックシャックシャミセン ホトトギス
ぎっちょんちょんの〜すっぱっぱ
てんてんてーんのよいよいよい
あにゃもにゃ こにゃもにゃ


仏様、イエス様、天使様、ついでにスーパーマンと美空ひばりさんの言うとおり
ホントかな ウソかな 長靴を履いた猫
まだきまりません もうきまりした いち に さん
パン屋のおじさんがへをこいた
玉手箱を開けちゃダメだよ、薬箱をあけちゃダメだよ
たまてばこ くすりばこ おもちゃばこ
じっちゃんばっちゃん腰抜けた
蜜柑の皮が剥けたかな
リュックサックリュックサックリュックサックよ
たまてばこあけちやだめようらしまたろうさん
ビー玉打ってばんばんばん
おせんべやけたかな
けけけのけむしがげをはいた
おばけが出てきてアベベノベ
浦島太郎 金太郎 三年寝太郎 桃太郎
はくぼくはくぼく
あべべの便所で 新聞読めばわかるかな
枕もとのお人形
ほんとかなうそかな
けけけの毛虫は食べちゃダメ
おえびす だいこく どっちが よかんべ どうでも こうでも こっちが よかんべ
ゴミ箱あけたら蛇が出てくるよ
お皿三枚分けました ブタの尻尾を切りました あとの残りはどちらでしょうか
ぽんぽこぴーのぽんぽこぽん たぬきのへそに あなあいた
おこりなおし、じっけった
神様の言うとおり わしゃ、こっちのほうがいいようだ
恋のペンダント ぷっぴっぽ
ちくたくちくたく マヨネーズ
メガネが割れた リスリス小リス
赤豆、白豆、さんど豆(ピンク豆)
月・火・水・木・金・土・日
ぴーちくぱーちく雀のこっこ ひばりのこ 子猫のこ こっこのこ
ちんぷんかんぷん、アブラムシ
ねったらねーの ね ね ね ね
柿の種 豆の種 ぶたのしっぽ
大砲撃って どんどこしょ
真っ黒けのけっけっけ
ケッケッケのオニたった
すっけけけ〜のけむし
ヒヨコがぴぃぴぃ鳴いている
なのなのなすびのはげあたま
しょっぱいしょなのなのな
あっぷっぷのぷの助の言う通り
真っ黒けのくーの助
なのなのなんきんまめ
かっかのかっかの柿の種 ねんねのねんねのネズミとり りんりのりんりのりんごとり
いのすけ、おまけつき
デ・ン・デ・ン・む・し・む・し・カ・タ・ツ・ム・リ
みかんきんかんなつみかん
菊の花の花びら
白ウサギ 黒ウサギ
おサルのお尻も真っ赤
お茶碗いっちょうくださいな
奈良の大仏さんに聞いたらわかりますよ
もひとつおまけにねずみのしっぽ
ぶたこ木のぼり ぶ ぶ ぶ
杓子持ってかんまわせ
消しゴム・トランプ・おもちごむ